
「進歩し続けない限り、
退歩していることになる。
目標を高く掲げなさい」
こちらはフローレンス・ナイチンゲールさんの
言葉。
5月12日は彼女の誕生日で、
今年で生誕205年。
その誕生日は、
「ナイチンゲールデー」と呼ばれ、
彼女の功績をふまえて、
全世界の看護師さんをリスペクトする日に
なっています。
ただ、この「ナイチンゲールデー」は
赤十字社が設立したのですが、
彼女はその活動に反対していたんですね。
というのも、赤十字の活動は、
ボランティアが主体。
そんな自己犠牲を伴った活動に依存していては、
看護師の地位は向上しないし、
医療も発展しないと
ナインチンゲールさんは考えていたんですね。
実際、誰よりも自己犠牲に徹したのが
そもそものナイチンゲールさんです。
1850年代に行なわれたクリミア戦争の際、
イギリス軍に看護師として従軍し、
「クリミアの天使と呼ばれました。
領土拡大を目指すロシアと
トルコ、イギリス、フランスの連合軍との
戦争でしたが、
当時にして最悪の犠牲者を出したもの。
まるで今の世界を見ているような……。
ところが彼女自身は、
自分が戦争の広告塔になることを嫌い、
イギリスに戻ってからは公の場への露出を控え、
その代わり「看護制度の改革」という
地味な活動に力を注ぎ込んだんです。
この改革のプレゼンのため、
彼女が「発明」したのが、
レーダーチャート。
いまでもあらゆる場で使用される
偏りを示すデータ表示ですが、
この功績から彼女は
「統計学」の先駆者とも言われているそうです。
とにかく結果のみを求め続け、
欺瞞をよしとしなかった、彼女の厳格さ。
だからかこの人の肖像は、
どれを見ても厳しい顔をしているように
見受けられます。
「天使」と言われた方の厳しい側面。
私たちもぜひ戒めたいものです。