世界に届いた「稲むらの火」

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11月5日は国連が定めた
「世界津波の日」なのですが、
これは170年前に
日本で起こった津波がきっかけ。

170年前の津波というのは、
東日本大震災の前、明治の頃に起こった
「安政南海地震」によるもの。

津波は新暦にすると12月に起こったものですが、
旧暦のまま記念日になったのは、
国際的に有名な作家が、
「11月5日に起こった津波」と伝えているから。

その作家とは、今はNHKの朝ドラでも
取り上げられている人ですね。

小泉八雲、ラフディオ・ハーンさんの
『A Living God』という作品です。

日本では『稲むらの火』と訳されている、
この物語。

和歌山県の農村の庄屋だった
五兵衛という人物の話ですが、
村人たちに津波が押し寄せていることを
知らせるため、
高台の田んぼで刈り取ったばかりの
稲の束に火をつけたんですね。

皆が高台にのぼり、火を消したころに、
津波が低地に押し寄せた。
この五兵衛さんは、機転をはたらかせて
大勢の人々を救ったわけです。

この物語には実際にあった話で、
モデルとなった浜口梧陵さんという方は、
のちのちまで村の神様として
長く敬意を払われたとか。

それで八雲さんは
「生き神様として祀られた日本の英雄」
として、
この物語を世界に伝えました。

日本の文化では、ごく一般の人でも、
勇気をもって皆のために行動することで、
「神様」と同格の存在に
あがめられることができる。

世界はそれを称賛した。
それで「津波の日」ですから、
じつはもっと私たちが誇りに思うような
出来事であるんですね。

そういう世界から称賛された正義感」は、
今、現在どうなっているのか?
いろいろ考えるべきことは、
多そうですね……。

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