月別アーカイブ: 2021年3月

夏川の振り返り8〜『見えない壁』

過去の本の振り返り、8冊目の本は

『見えない壁』というものです。

いまはなくなっている

「Nanaブックス」という出版社から出ている本。

じつは重版がかかるヒットにもなりました。

本書のテーマは、タイトル通り。

「壁を突破する」というものです。

「仕事ができる人にならなければいけない」

「自分らしさを見つけなければならない」

「もっと強くならなければならない」

「人に好かれなければならない」

「コミュニケーションが上手くならなければいけない」

「目標をしっかり作らないといけない」

「がんばらなければいけない」……という、

「固定観念」を打ち壊そうという本。

よくこれらを「固定観念」と言い切ったな、と。

当時の私もえらく挑戦的だったものです。

 ☆

ただ、いまでもこれらに縛られているばっかりに、

「結果が出せない」とか、

「自分らしさが失われる」とか、

「仕事が面白くない」という

根本的な悩みを抱いている方は案外と多いでしょう。

決して古くなっているテーマではありませんね。

 ☆

「仕事が面白くない」と言いましたが、

じつはこの「7つの壁を突破する」というテーマ。

1年前くらいに出ている『仕事を面白くしたいときに読む本』

と同じものです。

同じ構成から出発したものですが、

前者は「仕事を面白くする」という

目的のほうに焦点を当てて企画変更したのに対し、

こちらは当初の「仕事の壁を突破する」というテーマで

そのまま当初の企画どおりで新しい本を執筆したわけです。

当然ながら事例はすべて変更し、

両者はまったく違う本になっていますが、

売上がどうだったかといえば、出版的にはこちらが成功でした。

 ☆

「うまくいく人の考え方は、どこが違うのか?」

などというオビ文句もありますが、

「こうすれば売れる」という前例なんて無視して、

当初の方針からブレずに突っ切ったほうがいい……。

出版では何度も経験していますが、

じつは最初の発想が、

いちばん正しい発想だったということはよくありますね。

夏川の振り返り7〜『なぜ、仕事ができる人は残業をしないのか?』

過去の本の振り返りを定期的に行なっていますが、

私の7冊目の本は、現在でも代表作になっているものです。

『なぜ、仕事ができる人は残業をしないのか?』

という本。

出版社はSB(ソフトバンク)クリエイティブさん。

のちに文庫化されただけでなく。

PHPさんからムック化でも発売されました。

あわせて一体、どれだけの部数を稼いだのだろう?

輝かしい実績でした。

 ☆

ただ、本の内容は、じつは誤解されていることも

多くあります。

当時から「ムダなのでは?」と

思われていた残業時間にメスを入れ、

時間管理のノウハウを新しく説いた本。

……と、いうわけではありません。

働き方革命は、まだ世で叫ばれる前でしたが、

当時、大きくイメージ転換されつつあった

「仕事ができる人」の考え方を

特徴的に示唆した本だったわけです。

 ☆

・なぜ仕事ができる人は残業をしないのか?

・なぜ仕事ができる人は、

 上司の言うことを話半分にしか聞かないのか?

・なぜ、仕事ができる人は

 メールの返信が早いのか?

・なぜ仕事ができる人は異性に優しいのか?

・なぜ仕事ができる人は

 交通費請求をマメにするのか?

・なぜ仕事ができる人は案外と悪口を言うのか?

・なぜ仕事ができる人は。スパッと会社を辞めるのか?

それぞれ明確な理由があったし、確かにあれから10年、

そんな人が役員に出世したり、

新しく会社を立ち上げたりしてきた。

「自分らしさ」を主体に仕事をする人の、

特性のようなものがここにはあったわけです、

 ☆

ただ、その後、東日本大震災があり、

空前の不景気があり、またSNS時代に、

コロナと続いている……。

「仕事ができる人」の傾向的な特徴は、

これから大きく変わるでしょう。

 ☆

今ならば、どんなことがあげられるだろう?

情報に強いことはもちろん、

自らが魅力的な発信者であるべきでしょう。

この変化の激しい時代についていくには、

興味の幅が広くなくてはいけない。

世界を知り、行政の思考を読むことは

このコロナの時代に生き抜く1つの条件にもなっています。

さらに健康管理ができることに加え、

アナログな読書だって必要不可欠な要素になりそう……。

 ☆

なるほど、コロナが明けてから、

私のようなビジネス書作家がまずやるべき仕事は、

「新しい仕事ができる人の条件」を

きちんと確立することかもしれませんね。

夏川の振り返り6〜『20代は働かない!』

過去の本の振り返りを定期的に行なっていますが、

夏川の6冊目の本はこちらです。

『本当に成功したなら20代は働かない!』

(実務教育出版)というもの。

なかなかチャレンジングな書名ですよね。

出たばかりのときは、

けっこう反響も大きかった気がします。

 ☆

ようするに本書は、通常の仕事以外から

経験を積むことの大切さを説いた本。

大学受験では授業外の社会活動の成果を求められ、

就職では学校外での活動の幅の広さを求められ、

仕事上では社外で学んだ成果を

ごく普通に求められるようになった現在です。

まともに働く発想では、求められる経験値を獲得できない。

すでに本書で説いたことは、

当たり前のことになりつつあるかもですね。

 ☆

できるだけ「働き詰めになること」から逃れ、

広く交流関係を持つ必要性は、いまはより求められる。

20代に限った話でもないでしょう。

非常にいいことを書いていました。

ちょっと引用します。

「ふと自分の過去を思い返し、記憶に残っている鮮烈な経験は何かと

探してみてほしい。それはいつもどおり学校へ行き、

いつもどおり仲間と喋り、いつもどおりに勉強した

……なんていうことではないと思う。

思いがけないことに感動したり、

急に起こったことに胸ドキドキしたり、

予想もしなかったことに喜んだり、

逆にヘコんでしまったことではないだろうか?

結局はそれらすべての経験が自分の財産になっているとしたら、

ふつうに働いて、ふつうに仕事をして、なんていう日常で、

本当の自分自身の成長がありえるんだろうか?」

 ☆

これからのアフターコロナの時代、

あらゆる仕事が手探りで、

未知の領域に踏み出さなくなるケースは多くなるでしょう。

いかにその状況を、楽しめるか?

先の見えない世の中で思考錯誤を遊ぶ感覚が

これからより大切になってきます。

いままでの働き方の常識は、

すすんで変えていく必要がありますね。

夏川の振り返り5〜『成功者に学ぶ心をつかむ言葉術』

過去の夏川の本の振り返りですが、

2006年に文庫書き下ろしで発売されているのが、こちらの本。

『成功者に学ぶ心をつかむ言葉術』

仕事で結果を出している人々の

「言葉の使い方」についてまとめたものですね。

たとえばこんな言葉です。

「元気を出そう。結局、最後は僕たちが笑うことになるよ。

そのときの笑いこそ最高の笑いだよ」

かつて会社の危機を救ったウォルト・ディズニー社長。

 ☆

著名なリーダーであれば、いい言葉をいろんな場面で言っている。

でも、結果を出す言葉というのは、内容そのものよりも

どれくらい相手を思って、

その言葉を言っているかが大きいようです。

 ☆

たとえばかつてドイツのメルケル首相が、

コロナ禍で外出する国民を叱ったメッセージが話題になりました。

その言葉は非常に情熱的で格好よかったのですが、

国民が皆、従ったかといえば、

結局は外出自粛につながらなかった。

じつはそんなふうに言うより、

「みんなよく頑張っているね。

お陰さまで、ずいぶん感染者も減りました。

あとちょっとだから、みんなもう少しがんばろうね!」

……なんていう言い方をしたほうが、

皆はメッセージに従ったかもしれない。

最近の東京の感染者の減少を見ると、

そんな印象を強く持ちますね。

日本はさすが地震には慣れているんだな……と思うのは。

 ☆

さきほど大きな地震がありましたが、

すぐに「波の変動はあると思いますが

津波の心配はありません」と、

皆の不安に配慮したメッセージが出ていました。

一方で新型コロナウィルスに対し、

「今日の感染者は1000人と多くなりました。

ただ幸いにも。八割の方は軽症で命の心配はないようです」

とか

「◯◯件で変異種の感染者が発見されました。

ただ、大きな被害が出ているわけではないので

心配し過ぎる必要はありません」など。

聞いている人の不安に配慮するような

メッセージの伝え方をしているのを

私はほとんど聞いたことがありません。

言葉で人を動かすには、

やはり聞く側の気持ちを考えることが一番重要なんです。

言葉で仕事をする人間は、忘れてはいけないですね。

夏川の振り返り4〜『大人のアタマで考えない。』

過去の本を振り返ってみる連載を

定期更新している4冊目。

こちら

『大人のアタマで考えない。』という本です。

2006年にビジネス教育出版さんから発行されました。

 ☆

あまり売上のよかった本ではありませんが、この本のテーマ、

今でも絶対にあるんじゃないか!……と思っています。

どういうものかといえば、

「子どもの発想から学ぼう」というものです。

 ☆

あらゆる既存のビジネスが低迷し、

どこの業界でも「新しいこと」を何か考えなければならなくなった。

一方で市場はマンネリ化し、需要を喚起するものが少なくなっている。

そんななかでネットから人気を集めるのは、

「面白そう」で始まった企画なんです。

 ☆

前例とか、マーケティングリサーチとか、

効率性とかが、あまり意味をなさない。

子どものような発想で始まり

ビジネスモデルはあとからついてくる

……といったケースが多くなっているわけですね。

 ☆

本書では「子どもゴコロ」にある

さまざまな特性から「大人が仕事をするにあたって

「必要なこと」を見出そうと試みました。

・疑問を持つ力

・情熱を持って進む力

・自分は“正しい”と信じる力

・「負けたくない」と思う力

・「優しくなる力」

・感情を表現する力

・冒険する力

 ☆

コロナの時代が終わり、再生の時代になったとき、

これらの要素は必ず、

次のビジネスのキーワードになってくるのではないか?

そんなふうに思います!

夏川の振り返り3〜『成功者に学ぶ時間術』

過去の本を振り返ってみる連載を

定期更新していますが、3冊目はこちら。

2006年3月に成美文庫で発売され、

4万部を超えるヒットになりました。

『成功者に学ぶ時間術』です。

 ☆

ヒットしたこともあり、

2017年にはリニューアルされ

きずな出版さんから単行本になりました。

それが

時間を使う人、時間に使われる人でした。

 ☆

じつはオリジナルの本、

本当は別な出版社で出る予定だったのが、

校了したあとで突然に発売中止になったもの。

「こんな本は売れないから」と、

当時は泣きたくなることを言われたものですが、

それだけに発売後のヒットは嬉しかったですね。

 ☆

本書のコンセンプトはいたって簡単で、

タイトルそのまま。

成功している人の時間の使い方を

一般人が使用できるノウハウとして真似ようというもの。

最初の本を見れば、こんな人たちの時間術を取り上げていました。

 ☆

羽生善治 ハーブ・ケレハー いかりや長介 ヘミングウェイ

岡野雅行 斉藤一人 カルロス・ゴーン 野口悠紀雄 小倉昌男

チャーチル ピカソ 金児昭

中には捕まった人もいますね……。

 ☆

やはりこの本が売れたのには、

仕事で成功した人のビジネスノウハウに

多くの人が注目していた状況があったからでしょう。

現在はなかなかビジネスの成功者への関心が

本のニーズとして高まらない。

するとこうしたダイジェスト企画は成立しにくくはなります。

 ☆

ただ、今だって関心を集める人がいないわけではありません。

アーティスト、アスリート、ユーチューバー、社会運動家、

漫画の主人公……などなど。

もっともっと皆が本に関心を持つようになり、

こうした本を紹介できる本が

二次的に出版を盛り上げられるような時代が

戻ってきてほしいですね。

夏川の振り返り2〜『「仕事を面白くしたい」ときに読む本』

夏川の過去の本を振り返っている2冊目。

2005年にPHPから発行されたこちら

『「仕事を面白くしたい」ときに読む本』

ですね。

いまだ根強く愛されている思い入れのある1冊になっています。

テーマは普遍……ですが、

「仕事がつまらない」という方に、

つまらなくしている要因を排除していくことを勧めた本です。

 ☆

その要因が、本書で出てくる「8つの壁」。

「不満の壁」「平凡の壁」「時間の壁」

「言葉の壁」「心理の壁」「勇気の壁」

「機会の壁」「常識の壁」というものです。

 ☆

案外とこの法則は普遍で、テレワークの現在も変わりません。

 ☆

会社に行かないで、家で仕事をする。

それで「はかどる」という人もいれば、

「モチベーションが上がらない」という人もいるでしょう。

はかどる人は「時間の壁」の制約がなくなったぶん、

うまくいくようになった。

逆に家にいることで時間のコントロールが

できなくなっている人もいるでしょう。

そういう人は「時間割」をつくることから始めるといいかも。

 ☆

とくにテレワークがダメな人は、

人と会う機会が少なくなっていることが

心理的なストレスになっていることもあります。

それは自分が思う以上に、

人を相手にする仕事を楽しんでいた……ということ。

普段からもう少し、

コミュニケーションを密にするといいのでしょう。

 ☆

とくにコロナ禍では、

仕事のチャンスを奪われている方が大勢いると思います。

でも、売上を度外視すれば、

自分が仕事として「面白い」と感じる部分で、

人に貢献できる部分はたくさんあります。

 ☆

たとえばGトライという刺繍の会社は、海外工場が稼働できず、

国内アパレルも不振で、厳しい状態ではあるのでしょう。

でもそんな中で、マスクにくっつけるワッペンとか、

アイデア商品を一生懸命に考えています。

うちのイラストレーターのWatanabeも、

コロナ不況のお陰で、頼める仕事がまったくない。

それならそれで、芸能人をイラストを描いては

インスタグラムに投稿し、

やはり皆さんを楽しませようとしているわけです。

 ☆

そんなふうに

「仕事が面白い状態」をつくっている限り、

いつか必ずチャンスはめぐってくる。

時代は変わっても、成功法則はたぶん変わらないと思います!

夏川の振り返り1〜『会社を踏み台にして昇る人』

これまで書いてきた本の振り返り。

それによって新しい可能性が追求できれば

素晴らしいですね。

 ☆

まずはデビュー作の

『会社を踏み台にして昇る人踏み台にして終わる人』です。

2004年の出版ですから、

もう17年……というか、まだ20年に満たなかったんです。

処女作としてはまずまずの重版した売上。

ただ時代の流れで、版元はすでになくなってしまいました。

 ☆

本書はようするに、会社をうまく利用して、

自立していく体制を整えよう……という話。

考えてみれば独立したとき、私が持っていたあらゆる技術も、

クライアントさんたちも、

渡り歩いた3つの会社で培ってきたもの。

それどころか会社時代の内職の延長で私は独立しているわけです。

そのノウハウを若き日の私が詳細に語っているわけですね。

 ☆

ただ時代は変わり、この十数年で求められてきたのは、

会社の外にあるビジネススキルでした。

コミュニケーション力、企画力、

マーケティング力、リーダーシップなどなど、

あらゆる会社が、「その会社にないもの」を求めるようになった、

それだけ「会社」というものの力が弱くなったのでしょうね。

 ☆

ただ、現在はどうでしょうか?

じつはコロナ禍において、「会社員」という立場ほど

有利なポジションはないと思います。

もちろん、その会社が傾きかけていたら別でしょうが、

お金の心配をすることなく、テレワークで余裕を持って

さまざまな試みを実践できる。

そう、いまどこの会社も急遽、いままで未知だったスキルを

発揮できる人を必要にしているわけです。

 ☆

それは、お客さんに会わずにしてプレゼンや商談ができたり。

テレワークの不便な環境で、

人を組織したり、モチベーションを高めたり。

会社に対して「こうしよう」「これをするべきじゃないか」と、

コロナ不況を打開するアイデアを

さまざまに提案できるような能力……になります。

 ☆

すべては思考錯誤、でも「実験できる場」といったら、

会社を利用するのが一番なんです。

これほどのチャンスはありませんよね。

そして、アフターコロナとなったら、

すべての会社が求める能力や実績を積んでいることになるかもしれない。

 ☆

それこそSNSでも何でも利用し、

たくさんの人を巻き込んで会社に新しい旋風を引き起こせばいい。

私は経営者になっているのが、いまは残念に思いますよね。

そんな余裕はない状況ですから(苦笑)

 ☆

いまだからできる会社をステップにする可能性。

なるほど、この本で述べた考え方は、

これからより生きる時代になりそうですね。