「ひなげしの花」に残る人の思い

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何気なく辺鄙なところにポツンと咲いた

可愛らしいオレンジの花。

あまり花の名前に詳しくない私です。

調べてみて、「ああ、なるほど、これか」と思う。

「ひなげし」の花、ですね。

 

世代ではないけど、

アグネス・チャンさんが歌った花。

英語で言う「ポピー」。

フランス語で「コクリコ」ですね。

世界的に広がっている花ですが、

こんなふうに荒野などに、ポツンと咲くことが多い。

 

するとこの世界は、

「あらゆる場所が戦場になっている」ものですから、

その地で亡くなった人と結びつけられたりします。

 

とくにヨーロッパでは第一次大戦後から、

戦没者の魂を象徴する花として

考えられているんですね。

フランスなどは、この花を国花としています。

一方、東洋ではこの花の通称が有名。

「虞美人草」ですね。

 

夏目漱石の小説名になっていますが、

そもそも「虞美人」とは、古代中国の武将、

「項羽」の恋人だった女性です。

項羽というのは、

「漢」の国の建国者、劉邦に破れます。

彼に伴って従軍していた虞美人は、

敵に包囲された段階で、ひと足先に自害をしました。

 

それ以来、彼女の死地で

赤い花が毎年、咲くようになった。

これがヒナゲシが

「虞美人草」と言われるようになった由来ですね。

こんなふうに、

亡くなった人の思いを乗せて咲く連想を抱く、

どこか寂しい花。

 

ちなみにこの場所も、よく見ると隣は病院。

今はコロナ患者さんの専門病院になっています。

 

ただ、生命力のある見かけは、

「寂しい」というより、

ひっそりとエールを贈っているようにも

見えてきますね。

 

[仕事ができる人の歴史入門]

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