顔を合わせなくても伝わる思い

毎週配信メルマガ「賢者の会」通信はこちら

昨日は上司の理不尽に逆らった、
「戦艦ポチョムキン」の話をしました。

そこで今日は逆に、軍隊での
理想の上司を描いた物語を紹介したいのですが、
アニメ作品を一度か二度見たのを
「結局、どんな物語だったのだろう……?」と
アマゾンプライムで観たら、すっかりハマりました。

暇な人は、ぜひ通して観てみるといい。
たぶん泣きます。
『86(エイティシックス)』(安里アサト・原作)
という物語ですね。

軍の上司と部下といっても、
年齢はともに10代くらい。
架空の世界のお話で、
人類を滅ぼそうとする機械生命体みたいなものと戦っています。
敵も味方の乗り物も、なんだか機械の昆虫みたいですね。

この国がそもそも85の行政区から成り立っていて、
「86」というのは差別を受けている有色人種の住む地域。
国の上層部の人間は、
この地域の若者を使い捨ての駒のように
前線で兵士として戦わせています。

軍のエリートである女性、
ヴラディレーナ・ミリーゼ少佐は、
この兵士たちを遠い基地から
通信だけで指揮する役目を与えられます。

ただ、彼女は子供のころに
86区の人々に助けられた経緯があり、
人種差別をなんとか撤廃しようと考えている。

物語は、なんとか信頼を勝ち取ろうとする支配民族の上司と、
まさか上を信頼できるわけがない、マイノリティの兵士たちが
いかにリモートのみで、
心を通わせるかが焦点になっているわけです。
ちなみに主人公はこの女性と
兵士側のリーダーである「死神」と呼ばれる青年ですね。

コードネームで呼び合うのをやめ、
一人ひとりの名前を聞き、
イメージでそれぞれの似顔絵を描き、
各人に対する細かなメモを書き足していく上司。

「こっちの気持ちがわかるわけがない」と罵倒されながら、
それでも「話だけは聞かせてほしい」と
言葉を交わしながら、
なんとか苦しみを分かち合いたいと寄り添っていく。

この関係は、ひょっとしたらリモート時代における
マネジャーと部下の理想を
映し出しているかもしれませんね。

「あなたたちを忘れるわけがありません。
でも、その前に死なせません」

多くの部下が戦死していくなかで、
彼女は国の方針に逆らい続け、
主力の部下たちを国の外に逃すことに成功する。

しかし戦力を差別視するマイノリティに頼っていた国は、
やがて戦えなくなり、崩壊していく。
それでも彼女は、
「部下たちが生き抜いた先に自分も進みたい」と、
国を変革しながら懸命に戦う。

物語は二転、三転しますが、
続きはあるものの1クールでキレイに完結する展開になっています。
まあ、たぶんマネジメントにも役立つものではあるでしょう。
興味ある方はぜひアマゾンプライムなどで
観てくださいまし。

関連記事

ページ上部へ戻る