夏川現代語訳01 武士道

●武士道

著者 新渡戸稲造
版元 致知出版社
ページ数 248
価格 本体1540円
リンク https://www.amazon.co.jp/dp/4884749669/

■著者紹介 新渡戸稲造(1862‐1933)
もとは盛岡南部藩の藩士、明治維新後は札幌農学校卒業を経て、
教育学者・農政学者となる。
アメリカ、ドイツ留学ののち、一高校長・東大教授・東京女子大初代学長などを歴任。
国際連盟事務次長、また太平洋問題調査会理事長として国際理解と世界平和のために尽くした。
熱心なプロテスタントであり、奥さんはアメリカ人。
カナダにて死去。

■本の概要 『武士道』
原題「Bushido,The Soul of Japan」は、1900年に米国フィラデルフィアの出版社で発行。
世界的ベストセラーとなり、日本ブームを引き起こす。
そもそも本書を執筆したきっかけは、「なぜ日本には宗教教育がないのに、道徳を教えることができるのか」という知人からの問いであったという。
武士道の源流から、「誠」や「忠義」などの徳目。欧米人に関心の高かった切腹や仇討ちのような考え方も紹介し、当時、近代化したばかりアジアの小国にも関わらず、日清・日露戦争で勝利し、注目されていた日本人のメンタリティの秘密を欧米諸国に知らしめた。
「テディ」の愛称で知られるアメリカ大統領、セオドア・ルーズベルトも本書を絶賛しており、世界中に著書を紹介するきっかけとなった。

■目次
第1章 武士道とは、生きるための道である
第2章 武士道の源流
第3章 「義」あるいは「正義」
第4章 勇、すなわち勇敢で我慢強い精神
第5章 仁、すなわち哀れみの感情
第6章 礼
第7章 誠
第8章 名誉
第9章 忠義
第10章 サムライの教育と訓練
第11章 自制(克己、セルフコントロール)
第12章 「切腹」と「仇討ち」の制度
第13章 刀、サムライの魂
第14章 女性の教育と地位
第15章 武士道の影響
第16章 武士道はまだ生きていけるか?
第17章 武士道の未来
解説……いま私たちに必要な日本人の「心の書」

■本の読みどころ
発行から120年以上が過ぎた現代でも『武士道』という本が色褪せないのは、新渡戸稲造さんが「日本人の知らない、日本人の奥底にあるもの」を、誰よりも深く掘り下げたからでしょう。
本書を読めば誰しもが思うのは、非常にアカデミズムな本であること。世界中の古典から幅広い事例を見出し、私たちの国のサムライの理屈が決して特別に野蛮だったわけでなく、理論が一定の倫理基準に沿った、合理的なものであったことを立証します。
それは公平かつ、愛情に満ちた精神であり、成功に必要なストイックさを導き出すもの。日本という国の強さを知らしめるものでした。
今、私たちは武士道から離れ、長く西洋化した価値観の中で、毎日を暮らしています。だからこそ当時、「日本を知らなかった欧米人」の感覚で、「元来の日本人が持っていたはずの強さ」を知ることができます。
国力がますます落ち続ける我が国にあって、その強さを取り戻すために、本書は「現代日本人が読むこと必須」である名著であることは間違いありません。

☆目次へ戻る

関連記事

ページ上部へ戻る