春の兆しと「努力論」

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3月5日、この日は古代中国の「二十四節気」で、
「啓蟄(けいちつ)」
と呼ばれる日です。

つまり、ヘビだの、カエルだの、たくさんの虫だのが、
わらわらと冬眠から覚めて
土の下から這い出てくる日……。

想像するとかなり不気味ですが、
ようするに冬の間は閉じ籠っていた生命が、
春に向けて
いよいよ活発に動き出す日……と
認定されているわけですね、

春分の3月21日までの期間を総じて、
そう言うこともあります。

そんな季節の重要性を述べているのが、
じつは、この古典。
私も現代語訳している
幸田露伴さんの『努力論』ですね。

なんで春を前にして「啓蟄」になることが、
努力することと関係するのか?

露伴さんの考えでは、同じ努力するにも、
自然が定めた「最適な時期」というものがあり、
「春に向けて成長するためには、
今こそが最も、努力が功を奏する時期だよ」と、
『努力論』の中では述べられているわけです。

「温暖が与える物理的作用や、
植物が与える生理作用や薬学的な働き、
香気が与える心理的な働きなどは、
皆、春が人間に及ぼす事象なのです」

「このような力があるから、私たちは春になると
『春らしい心』になるのです」

ちなみに、春になったら頭を使うよりも、
体を動かすようにしなさい……というのが、
露伴先生の勧めですね。

いずれにしろ彼は「春=張る」というのが、
露伴先生の定義です。

何が「張る」のかといえば、
「気」、つまり、大自然のエネルギーのようなもの
になります。

冬の間、自然はずっと、このエネルギーを
大地の下や草木の中に、温存している。

これが「啓蟄」の時期を起点にして
一気に地上に湧き出してくるのですが、
その恩恵はあらゆる生物が受ける。
もちろん人間も……。

だから私たちは春に向けて
さまざまな活動を活発化させ、
自然からのエネルギーを大いに活用して
春に飛躍するようにしていきましょう!
……ということなんですね。

まだ少し寒い時期ですし。
年度末の追い上げやらもあって、
この時期、皆さんバタバタしているかもしれません。

でも、次のステージへ向けて、
自然の力が味方してくれるならば、
それを大いに利用したいものです。

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