エンターテイメントは人々を幸福にするためのもの!

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本日は、ジャニーズの新社長、東山紀之さんや、
副社長になる井ノ原快彦さんらの、
それは長い長い記者会見がありました。

少しだけリアルタイムで見ていました。
まあ、創業者による、
前代未聞の犯罪が明るみになったあとです。
いろいろ批判はあるのでしょうが、
東山さんは自分よりちょっと歳上の、
子供の頃から見てきたスターです。

「会社を改革する」と決めたからには、
困難を乗り越え、試行錯誤しながらでも
頑張ってほしいもの。
被害者たちに認められてからが、
おそらくは本当のスタートなのでしょう。

そんな東山さん、
「エンターテイメントは、
あらゆる人を幸福にするためのものだ」と
述べていました。
だから人を不幸にした喜多川氏を、
今はゆるさない……と。

この言葉、私が現代語訳した
世阿弥さんの『風姿花伝』に
そのまま出てくる言葉ですね。

画像でも引用しています。
「この道の究極は、いつまでも幸せで、
いつまでも健康な人生を人々に提供するものだ」

今から600年くらい前の
日本における「芸能の父」の時代から、
すでにその原則は確立していたわけです。

考えてみれば、ジャニーズの事件ではありませんが、
おそらくは「性被害者」と呼べるような境遇だったと、
考えられてもいるのが世阿弥さんです。

父・観阿弥さんのもと、12歳で
美少年の能役者としてデビューしたのが
世阿弥さん。
彼はまだ小学生くらいの美しい息子を、
時の将軍、足利義満に引き合わせました。

そう、ある意味、男娼のようなもの。
権力者の慰み者に、我が子を売った……と
言われているんです。

今なら最低ですが、時代が時代。
能役者などの芸人は、身分的には最下層の
人間扱いされない階層です。

一方で将軍は、天皇を超えるとまでされる、
やりたい放題の身分。

ここで将軍の庇護を受け、
「能」という芸能を世の中に売り込もう……!
それが能のパイオニア、
観阿弥さんの企みだったわけです。

実際、どこまでのことを世阿弥さんがされたのか?
そこは想像の域を出ませんが、
彼は辛抱し、将軍の寵愛を得た。

そして立場を利用し、父の意志を継いで、
能の世界を世に広める、
スペシャリストになっていったわけです。

そんなハンデや痛みを利用する生き方をした
世阿弥さん。
将軍・義満が亡くなり、
彼をよく思わなかった者が将軍になると、
「元将軍の男の恋人だったやつ」なんて
憎まれ役でしかなくなります。

だから言われない罪を着せされ、
佐渡に流刑になるんです。

でも、「エンターテイメントは、
人を幸福にするためのものだ」は、
ここからが真骨頂!

流刑地でも、辺境でも、田舎でも、
都落ちした境遇でも、
彼は「民衆の前を楽ませる能」を徹底し、
『風姿花伝』の書物をまとめあげました。

その精神をジャニーズがやってくだされば、
まだまだ人に夢を与える仕事は残っていくのでないか。
そんなふうに思ったりしますね。

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