万延元年のアイスクリーム
- 2025/5/10
- できる人研究所

5月9日は「アイスクリームの日」だったとか。
日本で最初のアイスクリームが作られた日
……なのだそうですね。
それがどんなものだったのか、
調べてもよくわかりません。
ただ、日本で最初に
アイスクリームを食べた人物は、
はっきりしています。
それは「万延元年遣米使節団」として
幕府からワシントンへ派遣された人たち。
護衛に勝海舟らが乗船した咸臨丸が
随行したことも有名ですが、
この使節団の面々が
上陸時の歓迎船「フィラデルフィア号」の中で
アイスクリームを供されたそうです。
当時は冷蔵の設備があったわけでもない。
アメリカでもまだ、なかなか食べられない
ご馳走だったのでしょう。
使節団のメンバーにいた柳川唐清は、
次のように書いています。
「味は至って甘く、口中に入るるに忽ち溶けて、
まことに美味なり」
アイスクリームに武士たちが感動したのは
1860年のこと。
日本はそのときアイスクリームを知ったのですが、
さすが「美味しいもの」は伝わるのが早い。
明治になってすぐ、1869年の5月に
日本でもアイスクリームが作られるようになり。
6月には横浜の馬車道で
最初の専門店が開業します。
これが「アイスクリーム」ならぬ、
「あいすくりん」というもの。
日本人の耳の聞き取りの間違いで
この言葉になったそうですが(笑)、
基本、牛乳はあまり使わず、
氷と卵、脱脂粉乳と砂糖などで作るもの。
おそらくはシャーベットに
近いものだったのでしょうね。
「氷菓」の部類だから、
クリームでなく「くりん」でよかったのかも。
いずれにしろ、蒸し暑い日本です。
江戸時代の頃から冷たい食べ物が
大好きだった日本人。
あっというまにアイスクリームは普及し、
銀座などでも食べられるようになります。
安く、たくさんの人へ……で、
庶民の味として定着していくんですね。
(読者さんのご指摘を受けて修正させていただきました。
ありがとうございます!!)