3割のツバメが手にするユートピア!
- 2025/5/25
- できる人研究所

目の前を小さな影が飛来してきて、
「ああ、そういう季節なんだな」と思う。
ツバメですね。
画像は、毎年、ここには必ず巣ができる
マンションの駐車場。
通常はシャッターが降りていて、
小さな隙間からツバメは入れるけれど、
カラスはシャットアウトできる。
猫なども来ないし、ネズミもこの高さでは無理。
ツバメには理想環境なのでしょう。
よくツバメが毎年来る家や建物は、
繁栄すると言われます。
保護する余裕もあるし、
害獣が入り込む余地もない。
餌も周りにちゃんとあるということで、
ツバメにとって快適なら、
人間にとっても快適な環境になるわけです。
ただ、ツバメたちの幸福環境は、
人間よりはるかにハードらしい。
というのも、私たちは毎年、
同じ夫婦が同じ場所にやってきて
子育てをするように思いますし、
そう期待しますよね。
ところがツバメの夫婦は、
多くの鳥と同様、1年単位だそうです。
つまり、その年、つがいになり、
出産して、雛を育て、
巣立ちが終わったら、そこで解散。
男女はそれぞれ、フリーになってしまいます。
しかし嬉しいことに、
次の年、3割のカップルは、
再びよりを戻して、再婚します。
多くのオスにとっては、
それが理想でもあるようです。
ツバメ全国ネットワークによると、
その仕組みは過酷なもので、
まず元いた巣を目指すのは、
じつは「メス」なのだそうです。
そこで卵を産んだメスが、
同じ快適なところに巣を作ろうと
再び同じ場所にやってくる。
オスもそこでの合流を目指し、
多くの場合は、馴染みのメスに再会しようと
同じ場所を目指します。
このときオスがメスより先に到着できるか、
あるいは同時にたどつければ、
カップルを再縁できる可能性が高くなります。
ところが他のオスが先にここにやってくると、
メスはそちらを選んでしまう。
統計では3分の2のオスたちは、
元妻を他のオスに寝取られてしまうようです。
厳しいですが、
これも体力的に強いオスの遺伝子を残そうとする
自然の仕組みなのでしょう。
はぐれたオスは、
別の幸せを目指していくしかない。
じつは私たちが想像する以上に、
過酷な競争を経て、毎年、同じ巣は
「選ばれている」わけです。
その栄誉に預かっている家は、
誇りにすべきかもしれませんね。