東京人が愛する「坂」

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画像は三田の周辺、
慶應大学から白金高輪方面に歩いていくと
遭遇する「蛇坂」という坂。

なるほど、今年の干支にちなんだ
縁起のいい坂……のわけがありませんよね。

説明によれば、蛇のようにくねくねと
曲がっているから。

あるいは、その昔は鬱蒼とした藪で、
蛇が頻繁に出没したとか。
今の高級住宅地になった周辺からは
想像もつきませんが。

ちなみに、この「蛇坂」の次にある坂は、
「幽霊坂」……。
なるほど、あまり皆が好んで
歩こうとしなかった地域なのはよくわかりますね。

ほかにも港区には、
「暗闇坂」やら「狸穴坂」やら
怖い坂がありますが、
ほかにも「魚藍坂」「伊達坂」
「乃木坂」に「欅坂」に「櫻坂」……と。

とにかく、あらゆる坂に
特徴的な名前をつけずにいられなかったのが、
とくに東京人の感覚だったようです。

その理由は調べてもわからなかったのですが、
おそらくは「目印」に必要だったのでしょう。

だいたいGoogleマップを見ても、
「目印」になる場所ははっきりせず、
ナビも歩行だと認識しにくいから、
方角がわからないと
普通に逆方向に歩いてしまうことはよくあります。

現代でもそうですが、江戸の町などは、
ほとんどは広大な大名屋敷と寺ばかりだから、
場所を示す指標がありません。

でも、起伏の激しい江戸の町は、
坂がいたるところにある。
これに名前を付けたのは、
場所を示すのに便利だったからではないでしょうか。

これが欧米だと、「坂」ではなく
「丘」という表現になったのか。
あるいは普通に「ストリート」なのか。

いずれにしろ
「坂」という感覚は日本独特なので、
タモリさんでありませんが、
追求すると面白いかもしれませんね。

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