
2月9日は、手塚治虫さんの
命日だったそうです。
1989年、ほんの37年前のこと。
まだ若く60歳。
「締め切りがあるから、
頼むから仕事させてくれよ〜」と、
病床で叫びながら亡くなったとか。
自分も言いそうだけど、
果たしてそんなふうに、死ぬ間際まで
仕事をもっていられるだろうか(苦笑)
ちょうど家にあった、
「ブラックジャック」の漫画文庫。
その中に、こんな話がありました。
無免許の名医ブラックジャックは、
某国で村の虐殺を行なった
偉い軍人を手術することになります。
銃弾が脳に残り、摘出しないと助からない。
その手術は彼でないと、できないとのこと。
ところが、村の戦災孤児たちが
ブラックジャックの小さな診療所をつきとめ、
この手術を阻止しようとするわけです。
なぜそんな悪人の命を助けるのか。
手術をやめ、私たちの恨みを
はらしてくれ……と。
そこでブラックジャックは
子供たちに白衣を着せ、
立会人として手術室に招きます。
「きみたち、この男がカタキだ。
これから手術をやる。
もし、この男を殺したければ、
そこのメスをとって殺すがいい。
だが、命を救うということも
神聖な行為だとわかったら、
最後まで手を出さずに
ジーッと見ているんだ」
結局、子供たちは最後まで手を出さずに、
手術を凝視しています。
その表情は沈んでいますが、
「手を出してはいけないんだ」と
子供たちなりに理解したんですね。
ただ、軍人は、自分の罪の重さと
復讐に恐怖するようになり、
帰りの飛行機の中で自殺してしまうわけです。
解釈はさまざまでしょうが、
手塚さんのメッセージから今の時代を見れば、
なんとなく短絡的で暴力的で、
過激になっているようにも思えなくありません。
今だからこそ、
そのメッセージは皆に伝えないなと、
私は深く思ってしまいますね。




