電子出版講座4 どんな原稿を電子出版にするか?

ガリュウメディア連載の電子出版講座を、賢者ブログでも掲載させていただいていますが、今回は4回目。「電子出版の本を書く」ということについて、私なりの意見を述べさせいただきます。

●電子出版で「儲ける」ことはできるか?

私が「賢者の書店」をやり出してから、ときおり「自分も本も書きたい」「このテーマなら売れる自信がある」「がんばって書くから出させてくれ」と、熱意をもってアピールくださる方にお会いする機会ができるようになりました。

大変うれしいのですが、私は「それほど自信がある原稿なら、リアルな出版を目指すほうがいいですよ」ということをお伝えします。

なぜなら、電子出版で本を出版して、リアルな本を上回る読者を確保するというのは、現状ではかなり難しいからです。

むろんアップルに加え、アマゾンのキンドルがあり、楽天の「Kobo」があり、ソニーの「Reader」があり、これにグーグルやマイクロソフトまで加わって……という状況になれば、徐々に市場は拡大していくでしょう。

ただ現状ではやはり電子出版の市場は、それほど発達していません。AppStoreでランクインした経験から見ても、売上げは10分の1以下だと思います。

それでもランクインするようになれば、まだいいのです。

というのも基本的に電子の書店は、「目について興味を持った本を買う」ということができませんから、Appなどで買われる本はたいていベストセラーの上位に入っているもの。

だから多くの電子出版社は、ベストセラー戦略をとったり、フェア販売をしたりと、それなりのマーケット戦略を展開しているようです。

それならば話題性をつくるしかない……ということになりますが、やはり書評メディアなどを見ても、まだまだ電子出版の分野は、一般の本ほど紹介はされないですよね。

つまり結論からいうと、自分自身が広告塔になって本の宣伝をしない限り、電子出版の本を多数の読者に読ませるのは難しい現状があるわけです。

もちろん、それでも「内容がいい」ということであれば、やはり本として売れる可能性は高くなります。けれども、あまり売上げに期待されると、こちらも応えてあげられない……。

むろん、それは本だって同じことで、基本的には「重版すれば成功」という世界なんです。それを考えれば、「儲けたい」ではじまると、そうそう期待できるビジネスではないんですね。

 

●この方法なら簡単に「人気コンテンツ」ができる!

では、どういうものが電子出版にいいのかといえば、「手軽にコンテンツを確保」でき、「読者にも期待されるもの」であり、しかも「著者自身の宣伝になるもの」です。

たとえば「賢者の書店」から出た本で、「アクエリーナ」というメンタルケアの会社を経営している平林佳子さんの『自分らしく輝ける毎日をつくる』(http://kenjabook.jp/library/pg101.html)という本があります。

こちらは「シータヒーリング」という手法を学んだヒーラーである平林さんが、日々の体験のなかから感じたことを綴ったエッセイですが、もとは彼女が定期的につづってきたブログをまとめたものです。

むろん「ブログをそのまま本に」というのは困難です。

ただこちらも編集技術がありますから、「幸福」「成長」「出会い」「人間関係」「健康」とジャンル分けをして、ハウツーとして読めるように再編集して、読者に読みやすい形でまとめる作業を行なったわけです。

するとブログ読者の方々にとっては、「いままで断片的に読んでいたもの」をトータルで永久保存版として読める魅力が出る。著者も流しっ放しだったものを、「文集」のような形でコンテンツ化できる。「私はこんな考えで仕事をしています」と、営業ツールとしてパンフレット代わりにできるものにもなりますよね。

しかも原稿は、あらためてそのために書くこともない。基本的には編集の手間だけで済むわけです。

もちろん、値段は高くは付けられませんが、それでも「中味のあるもの」として販売するわけですから、些細でもビジネスとしては成立しますね。

これはメルマガでも可能ですが、最近は「メルマガ」や「ブログ」を始める前から相談を持ちかけられ、「では、全20回のこういう内容にしてブログ発信し、終わった段階で書籍にして発行しましょう」というパターンも出てきています。

なんのことはない。人気の著者が雑誌の連載を引き受け、それと同時に出版社での単行本かも決めてしまうパターンと一緒なのですが、こうしたやり方のほうが電子出版はやりやすいように思います。

だいたい「本にしよう」とあらかじめ決めることで、ブログやメルマガのクオリティも上げざるを得なくなります。同時に発信していること自体が、書籍のマーケティングにもなっていきますから一石二鳥の策なんです。

皆さんもぜひ、こういう発想で「出版」というものを考えてみてはいかがでしょうか?

むろん電子出版でも、売れないものがないわけではありません。次回は「どんな本が売れるのか?」ということを少し考えてみましょう。