時代を経ても変わらない「時間の価値」

今回紹介する本は「古典」……ですが、
本書はいま現在で、最も売れている
ビジネス書の1つかもしれません。

いくつもの書店でベストセラー入りし、
発売1か月ですでに5万部を突破し、
版も重ねているとか。

アーノルド・ベネット著の
自分の時間
(三笠書房、本体1200円)
という本ですね。

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渡部昇一先生の訳で、
佐藤優さんの推薦……というのも強力ですが、
それが「古典」なのか?

じつはれっきとした「古典」なんです。
本書は20世紀の初頭、
まさに『武士道』の時代ですが
イギリスで書かれた本なんだそうですね。

しかし「時間術」の本なんです。
当時はITどころか、パソコンもない。
人が機関車で、蒸気船で移動していた時代です。
そんな時代の時間管理術が、
果たして秒速で情報が動く現代に役立つのか?

むしろ「だからこそ役立つ」というのが、
本書が売れている理由なんでしょうね。

序文で渡部先生は、こう書いています。

「現代は20世紀初頭とはがらりと世の中が変わり、
ベネットの本も『古典』という部類に入っている。
IT化が進み、誰もがスマホで瞬時に
情報をやりとりしている世の中で、
時間についての認識も
当時とは大きく変わったと言えるだろう」
「しかしそのぶん、
現代人は過去のロンドン人以上に
『やらなければならない』と思っていることに追われ、
ベネットが提示している『自分のための時間』を
ますますもてていないのが現実である。
いまこそ本書で述べられている
古くても新しい時間活用術は、
大勢の人に活用されるべきであろう」

私が主宰する
「賢者の会」という勉強会を見ても、
「やりたい仕事をしている人」というのは、
やっぱり忙しい毎日でも、
「自分のやりたいことを追求する時間」を捻出し、
コツコツと自分を成長させてきた人
……という気がします。

いつのまにか私たちは
「情報の時代」に追われ、
本質的なことを
見失ってしまったのかもしれません。
スピード時代に慣れ、
マルチでたくさんのことをこなす一方で
「最も大切なこと」に
時間を集中できていないのでしょう。

現代だからこそ生きてくる、
20世紀の賢者の「時間」に対する教え。
短い本で、読みやすい訳ですから、
ぜひスマホの電源を切り、
パソコンからも離れ、
決して「速読」なんてことをせず、
時間を使って、考えながら読みたいですね。