読書日記・『三陸海岸大津波』

吉村昭さんの
『三陸海岸大津波』
(文春文庫)
売れていますねえ。
この震災を振り返る……という意味で、
すでに読んだ方も多いのではないかと
思います。

もちろんこの本、
東日本大震災があったから、
書かれた本ではありません。
その最初の発行は
1970年に遡ります。

歴史小説家として知られる
吉村昭さん。
東北のリアス式海岸の美しさに惹かれ、
何度もこの地には訪れていた。
しかし調べると、
この地が過去、何度も
津波に襲われていたことを知る。
詳細な調査をして、
明治29年、昭和8年、
昭和35年のチリ地震後の津波
……と、東北に起こったことを
記録に集めたんです。

いま読むと、本当によくわかる。
やっぱり今回も
「同じこと」が
起こってしまったようですね。

歴史が積み重ねた教訓も、
賢者が授けてくれた警告も、
私たちはあまり上手には
生かせなかった……。
そう思うと、
ちょっと悔しい気がします。

ただ、読み方を変えれば、
何度も東日本は、
津波から立ち上がってきた。
もう同じ間違いは
繰り返さない日本であってほしいですね。
(政治はちょっと不安ですが・笑)

残念ながら吉村昭さんは、
2006年にお亡くなりになっていますが、
印税はすべて義援金に贈られるとのこと。
本当に
素晴らしい仕事をなされたんだなあ、
と思います。

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