「ひな人形」の仕事術

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画像、探したらちゃんとあるんですね。
こちら金髪ギャルの雛人形。
楽天で13万5000円で売っていました(笑)
でも、買う人はいるんだろうなぁ……。

実は今、
『その着せ替え人形は恋をする』という漫画が、
かなり大人気になっています。

コスプレイヤーの女子高生の衣装を、
「雛人形職人」の家に生まれた男子校生が
手伝うことで始まった恋……のような物語ですが、
両極端でありながら、
どちらの世界も「こだわり」が物凄い。

考えてみれば、伝統の「雛人形」自体が、
フィギュアの元祖みたいなものなんです。
日本人独特のオタクっぽい
「こだわり」で生まれました。

というのも発端は中国の
「上己(じょうし)の行事」というものですが、
厄を祓うために使われる人形は
そもそも「藁人形」なんです。

これが日本に来て、
子供たちの未来を願うお祭りをしようと思ったとき、
平安貴族が真っ先に考えたのは、
「天皇家への輿入れ」だったわけです。

だったら藁の人形でなく、
細部まで天皇家の婚礼を再現しようじゃないか……。
これが「雛人形」の発端になったわけですね。

時は貴族の時代から武士の時代となり、
天皇家の結婚式など
誰も見たことはないと思うのですが、
それでも人形の姿だけはどんどん発展していきました。

一段目……天皇(左)と皇后(右)
関西は逆!
実は関東は明治以後の西洋式になった婚礼に合わせ、
関西は京都風にスタイルだそうですね。

二段目……三人官女(皇后付きの女官)
三段目……五人囃子(楽士)
四段目……随身(警護の者と大臣)
五段目……仕丁(雑用係)
六段目……嫁入り道具
七段目……重箱や籠など

物凄く細かくはあるのですが、
なんとなく下のほうになればなるほど、
天皇家というより
じつは武家っぽくなっている。
やっぱり想像力の賜物だったことはうかがえそうですね。

とはいえ、私も女の兄弟がいる家で育ちましたが、
そんな豪華な雛人形など見たことはない。

持てる人は限られるのでしょうが、
美しい伝統はやはり残っていってほしいもの。
日本文化の1つのありようとして大切にしたいですね。

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