【賢者の言葉14】「気づき」を与えるオシムさんの言葉

毎週配信メルマガ「賢者の会」通信はこちら

「ライオンに追われたウサギが逃げ出すときに、
肉離れをしますか?」

2006年〜2007年に
サッカーの日本代表監督を務めた
イビチャ・オシムさんが、
お亡くなりになったとのことです。

享年80歳、お悔やみ申し上げます。

じつは2006年に私が書いた
『成功者に学ぶ心をつかむ言葉術』
(成美堂文庫)という本で
私はオシムさんの言葉を紹介していました。

「頭のいい言葉で、人を気づかせる」
その一例が先の言葉ですが、
怪我をしたエースストライカーを諭すために言った言葉。

大事なときに100パーセントの力が出せないのでは、
選手にとって死活問題となる。
試合を通じて健康管理に努めるのも、
大事な仕事なんだ……ということですね。

当時、オシムさんのこうした禅問答のような言葉は
話題になっていました。

ちょうど日本代表が、
ワールドカップの常連に飛躍すること。
選手がどんどん海外に出て、
プロ意識を高めようとしていたときです。

つまり、「言われたやること」から
「自身の頭で考えること」が求められた発展期。
そんな時期にオシム監督を迎えたことは、
現在への過程に必要だったのでしょう。

そもそもオシム監督は、
戦地だったボスニア・ヘルツェゴヴィナの出身。
旧ユーゴスラビア代表を
優勝を狙うチームにまで育て上げた名監督です。

ただ、名門チームや常勝チームからのオファーは
ことごとく断り、
発展途上のチームばかりを率いていきました。
自分の得意なことややるべきことを
しっかりわきまえていたのでしょう。

日本には2003年にジェフ市原の監督となり、
それから代表監督へ。
急性脳梗塞で倒れるまで、その任を務めました。
後継は岡田武史さんでしたね。

その仕事は過去のこととなりましたが、
言葉で人に気づきを与え、
引き伸ばしていくことに重要性は普遍。

その言葉の数々は、
いつまでも忘れられることなく
私たちの学びとなっていくのでしょう。

関連記事

ページ上部へ戻る