【歴史入門】お岩さん誕生の謎!?

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7月26日というのは、ちょっと怖い
「幽霊の日」なんだそうです。

新暦では9月8日になりますが、
鶴屋南北の「東海道四谷怪談」の
初演が江戸で行なわれた日。
つまり、
「お岩さん」が誕生した日ということですね。

今からおよそ200年前の1895年になりますが、
誰でも知っている恐怖キャラが誕生した日、
と考えると、なかなかすごい作品が世に出た日
……ということになります。

恐怖キャラが誕生した日とはいえ、
じつはモデルとなる事件が存在したとも言われます。
つまりは「実話を元にした物語」を
南北さんは書いたことになりますが、
事件は17世紀に「四谷」というより、
現在の「雑司ヶ谷」で起こったらしい。

実際にいた田宮伊右衛門さんという侍が、
上司の上役と不倫をし、子供もできてしまう。
それを知った妻のお岩さんが発狂、
行方不明となってしまいます。

その後、彼女は死んで、幽霊になってか?
あるいは殺人者となって戻ったのか?
詳細はわかっていませんが、
伊右衛門の関係者18人が、その後、次々と
不審な死を迎えることになったわけです。

その後、祟りとされるお岩さんを鎮魂する
稲荷神社がつくられ、
死の連鎖はおさまったとか。
今でも映画や劇を上演する際は、
この「於岩稲荷」にお参りしておかないと
祟りがあると言われますね。

この話が事実なのかどうかは、
いろいろ説があります。

ただ、この物語が現代でも不朽の「怪談」となったのは、
やはり南北さんの想像力がすごいんです。

なんせホラー映画なんて存在しない時代です。
そのころに怪異を起こす超能力とか、
急に登場してびっくりさせる演出とか、
誰もが恐怖する異形化など、
今では当たり前になった怖さを生む仕掛けを
先駆けて演出に取り入れたわけです。
ジョージ・A・ロメロ監督も真っ青ですよね。

先人の創造力を私たちも思い知りましょう。

ところで、画像は両方とも、そんな恐怖演出の1つ。
提灯化した「お岩さん」ですが、
右は葛飾北斎で、左は歌川国芳。
この発想力もなかなかすごいですよね。
コミカルな雰囲気すらあります。

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