時代に合わせて変化できるのは優れたリーダーの証

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「監督としてすべてやったようなもの。
こんな幸せな監督はいない」

こちら今年の箱根駅伝の優勝校、
駒澤大学、大八木弘明監督の言葉ですね。
8度の優勝に加え、
今年は出雲駅伝と全日本大学駅伝も制し、
三連覇達成。

最高の成績をもって、
この3月で監督を退くそうです。
来年からは、
あの車からの叱責もなくなるんですね……。

いや、正直私はずっと、毎年、大学駅伝を見ていて、
あまり快適には感じていませんでした。
駒澤のランナーは大変だな……と。

だからむしろ私は、青山学院を応援していた。
まあ、本当は母校の早稲田大学が
もっと復活してくれればよかったのですが。
(それでもなんとかシードは取り返しましたね)

でも、不思議に思っていたのが、
大八木監督が学生たちから
ものすごく慕われていること。

「なぜだろう?」と思ったのですが、
じつは近年、「かける言葉」がずいぶん
変わってきたそうなんです。

その昔は「「チンタラ走ってんじゃねえよ」とか、
「それでも男か!」とか、
そのまま「叱責」でしかなかった。
でも、近年は同じ怒鳴り声でいて、実は
「いいぞ、その調子だ」とか、
「お前ならできるぞ。区間賞を狙え」とか
学生たちを褒める言葉になっているとのこと。
なるほど、それがランナーに力を与えていたんですね

「若かったときは、ほぼ一方通行で
私が決めたことをやれということが多かった」
「昔と今の子どもたちは違う」
「だからコミュニケーションを取るように変えた」

大八木監督自身も、
自分自身の方向転換を語っています。
そしてもう、
「後継者に任せても大丈夫」と判断できたわけですね。
今後は総監督のような形で、
支え役をやっていくようです。

時代は変わっていくし、
組織のありようも次第に変わっていく、
そんな中で過去の成功体験に縛られ、
やり方を変えられないリーダーは
組織をいずれ衰退させていきます。

『貞観政要』でも
「戦時のリーダー」のままでは
平和の時代に通用しないことを説いています。

これは性格とか個性の問題ではない。
リーダーとして組織をまとめたいなら、
自ら変化していくしかない。

「あの個性的な監督もちゃんとやったんだ」と、
私たちも学ばないといけないですね。

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