「1人でやること」の醍醐味を感じよう

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夏川が読んだ本の紹介ですが、こちら。
『孤独の価値』(幻冬舎新書)
という本になります。

著者の森博嗣さんは、
建築学の先生……というよりも、
推理小説作家として有名ですね。

『すべてがFになる』からのシリーズを
かつては軒並み読んでいったものです。
いまも小説は書いていますが、
大学の仕事は辞め、
田舎で隠遁生活のようなことをされているそうです。

結果、ほとんど人に会わない生活を
現在は続けている。
そのことの楽しさや価値を本書は
検証しているわけです。

というのも、今の人はめっきり
「孤独」に弱くなっているわけです。
森先生はそれを、社会が作った
「孤独は寂しいものだ」という
脅迫概念による影響ではないかと考えています。

非常に納得できるところがあります。

というのも、私も執筆をしますから
「脱稿」という瞬間を何度も経験しています。

つまり、
「書き上げて、それを出版社に送る」という瞬間。
パソコンの前で、ガッツポーズするくらい、
それは高揚し、感動的なひと時です。
この瞬間があるから、私が何十年も
この仕事をやっていける。

ところが、ではそれに対して
何が返ってくるかといえば、
編集さんが「ありがとうございました」と
メール返信するくらい。

するとそれって
「大したことがない」ということに
なってしまうのでしょうか?

たとえばサッカーでゴールを決めた瞬間などは、
選手はスタンドに駆け込み、
ファンたちが大絶叫でそれを讃えます。
みんなで一緒に絶叫し、
仲間とハイタッチしてその成果を認め合う。

私の仕事にほとんど
「そんなものはない」のですが、
世の中は「そういうのがないと喜びがない」という
変な風潮になっているわけです。

こうした風潮が、現代人の孤独に弱い体質を
作り出してしまっているのではないか……。

とくにリモートが進んでいる現在、
「1人でできる喜び」を感じられない人は
これからどんどん
ドロップアウトしていくかもしれない。

本書は「みんなで」とか「絆が大事」とか、
「仲間と一緒に」といったことばかりが
持ち上げられる現代に、
「孤独の価値」をちゃんと
教えてくれる本になっています!

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