落語と童話のホラーな関係

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夏川が読んだ本の紹介ですが、
今日は「夏らしく」ということで、こちら。

アンソロジー 死神
(東雅夫編、角川ソフィア文庫)
という本です。

近現代の古典的作品から、
「死神」というテーマの短編を集めた
アンソロジーですね。

なんせ、水木しげるさんの漫画で始まり、
つのだじろうさんの漫画で閉じます。

とはいえ「怖い」というより、
世の中を皮肉った作品が多いのは、
このテーマの特徴かもしれません。

元気な人を、突然の死に誘うのは「死神」の役目。
その理不尽に対し、
「死神は死者に帰する理由を説明する役」として
多くは登場するわけです。

面白いのは落語における、
「死神」という作品をご存知でしょう。

本書では、三遊亭円朝/金馬さんと、
柳家小三治さんのバージョンを紹介しています。

簡単に内容を説明すると、
貧乏な主人公がたまたま、死神と出会うことになり、
彼は「医者になってみてはどうか?」と提案する。

主人公には医学の知識なんてない。
でも、主人公には死神が見えるんです。

病人のところに出向き、枕元に死神がいれば、
患者は助からない。
一方で死神が足元にいる。
あるいは、いなければ、
何をしても患者は助かるんです。

どんな治療をしても、薬に何を渡しても、
患者の病は治る。
それなら医者として
大成功していくではないか……と。

そして実際、医者になって成功した彼が
どうなっていくかは、物語を読んでいただくとして、
実はこの話の原型。
ドイツの「グリム童話」の中にあるんですね。

本書ではオリジナルも紹介していますが、
落語の原点が19世紀ドイツの、寓話の中にあった……。

それを知ると、
日本の中で「古典」と称されている文化も、
各国の文化を広く検証している結果、
生まれているものもあることに気づきます。

本を読むことの価値は、
こんなことからも感じられますね!

興味を持った方はぜひ、手に取ってみてくださいませ。

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