仲間はずれの惑星

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今日はSNSを見ると、
やはり月の投稿が目立ちますね。

ちょうど打ち合わせ帰り、
見事なまでのグラデーションがかかった
透明な月が出ていました。
今日は皆既月食でしたね。

それに合わせて今回は、
442年ぶりの「天王星食」というのもありました。
「食」といっても、月の背後に回って
「消えて、また現れる」だけだったようですが、
皆さんは見れたでしょうか?

自分は見れなかったです。
まあ、肉眼で見れるギリギリの光……みたいですからね。
金星や土星や火星はともかく、
東京で確認したことは、私はありません。

この天王星には、疑問があります。
それは英語での呼び方です。

惑星の名前って、ローマ神話から
神様の名前がついていますよね。
たとえば木星は「ジュピター」ですが、
これギリシャ神話の「ゼウス」です。

海王星や冥王星だって
ネプチェーン(ギリシャのポセイドン)
プルートー(ギリシャのハーデス)と、
ローマでの名がついているのに、
なぜか天王星だけ
ギリシャ読みの「ウーラヌス」なんです。
ローマでは「カイリス」と言うようですが、
こっちは使われていない。

一体どうしてなのだろう?

じつは古くから知られていた土星までの惑星に対し、
天王星が発見されたのは1781年になってでした。

その発見者は、イギリスの
ウィリアム・ハーシェルという天文学者。
彼はこの星に当時のイギリス王、
ジョージ3世の名をつけようとしたのですが、
他の国の学者たちは面白くありません、

そこで当初、この星は発見者にちなみ
「ハーシェル星」と名づけようとしました。

でも、他の惑星は神様なんだし、合わせようよと。

そこでドイツのヨハン・ボーデという天文学者が。
土星=サターン(クロノス)の父であり、
天空を司る神様、ウーラヌスの名を提案します。

ただ、あまりにマイナーな神様で、
ローマ風の「カイルス」の名が
ほとんど知られていないということで、
ウーラヌスのまま定着してしまったんですね。

ちなみに「天王星」は中国による訳。
太陽系では木製と土星の次に大きい星ですから、
スケールの大きい名前がついたのは正解だったでしょう。

13本の輪を持つ美しい星ですから、
うまく観測できる日が来るといいですね。

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