マキャベリの運命を変えたコンクラーベ

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フランシスコ教皇の死後、
何度も何度も投票が繰り返されていた
コンクラーベ(ローマ教皇選挙)ですが、
とうとう新教皇が決まったそうです。

アメリカ出身の「レオ14世」が、
新教皇として267代目の教皇に
選出されたとのこと。
煙突から白い煙が上がりました。

なるほどアメリカ人!
混乱した世界に、
求められる期待は大きそうですね。

映画で話題になっているものの
日本人にはあまりお馴染みでない
「コンクラーベ」ですが、
じつはマキャベリが『君主論』で
イタリアの運命を変えた教皇選挙について述べています。

それは15世紀、214代教皇だった
アレクサンデル6世の死後に行なわれた
コンクラーベでした。

彼の息子が、スペインのヴァレンシアを領有し、
自らの軍勢を組織して、
「イタリアを統一するリーダーになるのではないか」
と期待された
「チェーザレ・ボルジア」でした。

彼の人生は漫画でも描かれていますから、
ご存知の方も多いでしょう。
まだ20代の若きリーダーでしたが、
父であるローマ教皇の権威も借り、
飛ぶ鳥を落とす勢いで、イタリアの各地にのさばる
マフィアまがいの有力者を排除していきました。

年上だったマキャベリだけでなく、
軍事顧問になったレオナルド・ダ・ヴィンチでさえ、
彼に大きな期待を寄せていたんですね。

ところが突然、父の教皇が病死し、
コンクラーベが始まります。

悲しんでいるヒマなどない、
チェーザレは何より票集めの裏で暗躍して、
自分と敵対する人物が新教皇にならないよう
画策しようとしました。

ところが運悪く、
彼はこのタイミングで伝染病にかかり、
生死をさまよってしまうのです。
マラリア説が有力だとか。

結果、新教皇になったのは、
チェーザレを憎むユリウス2世。
戦争好きの彼はチェーザレと真っ向から対立し、
彼の力を失墜させることに全力を尽くしたわけです。

やがてチェーザレはスペインに逃げ、
31歳で戦死することになりますが、
イタリアの統一は、これで夢に終わってしまいました。

その後、教皇の地位はフィレンツェの
「メディチ家」が掌握し、
ルネサンスへとつながります。

そんなふうに過去を見れば、
「誰がローマ教皇になるか」で、
ヨーロッパの力関係が大きく変わっていったんですね。
だからこそ注目されたのですが、
今の世界にも、
いい影響が起こることを期待しましょう。

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