「本当に大切な時間」をしっかり確保するために

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今週は夏休みの方も多くいらっしゃるでしょうが、
こちらは時間のあるときに、
「普段できない読書でも!」と思うなら、
ぜひ読んでほしい古典の1つ。

すでに24刷になっているそうです。
知る人ぞ知る超ロングセラーですが、
アーノルド・ベネットの
自分の時間
という本ですね。
(渡部昇一訳、三笠書房、本体1200円)

ベネットさんというのは、
20世紀初頭に活躍した作家。

当時はITどころか、パソコンもない。
機関車で、蒸気船で……と、
のんびり移動をしていた時期です。

そんな時代でも、彼は忙しい毎日が、
人生にとって貴重な時間を
奪い続けていることを感じていた。

分単位で終われる生活だからこそ、
時間をかけて淹れたコーヒーを、
お菓子と一緒にゆっくり味わって飲んだり。

どうでもいいような
新聞の片隅にある広告に目をとめ、
「今はこんなものが流行っているんだな」と
再発見したり……。

本当はこうした「些細な時間」こそが、
自分の人生に価値与えているのであり、
「何かをさせられる他人のための時間」でなく、
「自分のための時間」をしっかり見直し、
確保していこうよ……というのが、
ベネットさんの主張だったわけです。

ならばこの本が現代の日本で、
さらに熱望されているのも当然でしょう。

世の中が便利になり、
情報ツールが飛躍的に発展した結果、
私たちはさらに
「他人の時間」に振り回されるようになり、
「他人が意図する情報」に翻弄されています。

効率化といいながら、
じつは自分ならではの人生を組み立てる
「自分のための時間」を
奪われ続けているわけですね。

毎日1時間でも、
自分の思考を育む時間を捻出すれば、
自分の人生は変わっていく。

私たちに必要なのは、
時間をうまく使うためのハウツーでなく、
本当に大切なものを選別していくための
「考え方」を身につけることなのでしょう。

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