来るときは馬で、帰りは牛で!
- 2025/8/14
- できる人研究所

キュウリで作った馬と、
ナスで作った牛……。
こちらお盆のときに供える
野菜で作ったやつ。
正式には「精霊馬(しょうりょううま)」と
呼ばれる供物ですね。
8月13日は「迎え盆」と呼ばれる日。
夏休みをとる方も多いでしょうが、
8月16日の「送り盆」と呼ばれる日までが
「お盆」の期間になります。
この日に先祖の霊が家に戻ってきて、
2泊3日の滞在を経て、
帰っていくとのこと。
そのときに「乗り物」として使用するのが、
この「精霊馬」になるわけです。
キュウリの馬とナスの牛にも理由があって、
亡き人々の霊は、
行きはキュウリの馬に乗ってきて、
帰りはナスの牛で去っていくと言われます。
つまり、行きは早がけで
急いでかつての家に戻る。
帰りはあの世への到着が
できるだけ遅くなるように、
牛でゆっくり帰っていく。
なるほど、やっぱり先祖の霊も、
家に戻ることを楽しみにしているんだろうな……と
私たちはイメージしているわけです。
今はキュウリが不作で、
スーパーでも見かけなくなっています。
でも、その発想さえ知れば、
ミニカーでも、紙飛行機でも
構わないかもしれませんね。
ようは「速い乗り物」と
「遅い乗り物」があればいいのではないか。
いずれにしろ
お盆の元は「盂蘭盆」という仏教の行事。
本来は7月に行なわれる行事ですが、
新暦と夏休みをとる現代人の都合に合わせ、
今は多くの地域で8月に行なわれる
行事になっています。
あくまで現生人の生活が第一ですが、
それでも亡くなった先人たちへの
リスペクトを忘れないために
引き継がれている行事。
お墓参りがなかなかできなくても、
その考え方は、決して忘れてはならないですね。