生涯、貫き通した「和」の精神

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千利休からの流れを継ぐ
茶道の裏千家15代の家元を務め、
大宗匠となってからもユネスコ親善大使として
世界中を駆け巡っていた茶人。

千玄室さんが、お亡くなりになったとのこと。
102歳、大往生なのでしょうね。
本当にご苦労様でした。

私はお会いしたことこそなかったのですが、
じつは非常にお世話になっていた方。

画像、致知出版社さんから発売された、
夏川訳の『茶の本』で
推薦文をいただいていたんですね。

「日本人の心のふるさとを
知るための書。
推薦します」……と。

お陰様で本は11年経っても売れ続ける
超ロングセラーになっています。
本当にありがとうございました!

戦時中、学徒動員されていた玄室さんは、
自ら特攻兵に志願されたそうです。

結局、その機会はなかったのですが、
多くの仲間が死んでいく中で、
戦争に対する憎しみを深く持ったとのこと。

「国のために命を捨てた仲間など
1人もいない。
自分が犠牲になることで
愛する家族が守れるなら、という思いで
命を捧げたのだ」

戦後、玄室さんはハワイ大学にも修学し、
茶人として「和の精神」を
世界に伝える活動をしてきました。

まさにその活動は、
『茶の本』の著者である
岡倉天心さんにも通じます。

敵対する者同士でも、
小さな茶室でお互いに武器を捨て、
一杯の茶を飲む喜びを共感することで、
憎しみを捨てていく……。

まさに日本が先頭に立って、
世界中に「和」の心を広げていこうよ……と。

日本人として本当に
見事な人生だったのだと思います。

いろんな考え方はあるでしょうが、
先人たちの声は私たち、
ちゃんと聞かなければいけない。

千利休さんの声、
岡倉天心さんの声、
千玄室さんの声。

この国を愛するからこそ、
私たちは素晴らしい仕事をされた方の声に耳を傾け、
自らの思考を構築していく必要がありますね。

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