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なぜ神道の神様をお寺で祀っているのか?
- 2025/9/27
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久しぶりに立ち寄ったのは、
目黒雅叙園の近くにある
「大圓寺」というお寺。
前に「明和の大火」(行人坂火事)の
火元になった場所として紹介しましたが、
犠牲者を供養する五百羅漢も残されています。
でも基本はこちら、
「大黒天」を祀っているお寺なんですね。
でも、お参りしたあとで、ふと思う。
ここって、お寺だよね……?
大黒さまといえば、私たちのイメージでは、
烏帽子を被り、袴姿で、
大きな福袋を担いだ存在。
打ち出の小槌も持っていたような。
「因幡の白兎」の話では、
サメ(ワニ)に襲われたウサギを助けています。
正式には「オオクニヌシノミコト」という
日本神話の神様ですね。
ならば神社でないとおかしいのですが、
そういえば毘沙門天や弁財天も
よく神社で祀られている。
ということは、
インド起源の神様なのだろうか……?
その通りで、大黒天の正体は、
ヒンズー教の最高神の1人、
「シヴァ神」とのことです。
お寺でお参りにいているようで、
じつは私たちヒンズー教の神様に
お参りしていたわけです。
知らぬ間にグローバリズムを体現していました。
なんでもシヴァ神は、怒ったとき
「マハーカーラ」という化け物に姿を変えます。
腕が4本で3つ目、
1000万の破壊の黒炎の輝きを放つ
……とありますから
ほとんど「怪獣」なのですが、
その真っ黒な姿から
日本で「大黒天」と呼ばれるようになる。
ところが「大黒」=「大国」と。
日本らしい漢字からの連想で、
オオクニヌシと同一視されるようにも
なったそうです。
なるほど神様というのは、
じつに不思議な存在。
人種というのを、完全に超えています。
そもそも日本人は異国の神さまを
あまり問題視もせずに、
素直に受け入れていたわけです。
今そのことは、とても重要かもしれませんね。