
「有漏路より 無漏路へ帰る 一休み
雨ふらば降れ 風ふかば吹け」
この有名な歌は、
あの「一休さん」のもの。
正確には一休宗純という、
室町時代に生きた臨済宗のお坊さん。
天皇の落胤ともされる人ですね。
1月9日は、
一応は「いっきゅう」ということで、
その記念日となっているそうです。
一休さんといえば、
私たちはその昔のアニメで
「とんち」であらゆる問題を解決する
可愛らしい坊主の子
……というイメージと思います。
ただ、「実際の一休は?」といえば、
仏教の戒律のみならず、
当時の社会通念にさせ縛られず、
ひたすら自由に生きた
「生臭坊主」として知られる方。
実際、酒も肉食も自由気ままで、
妻帯しただけでなく、男性の恋人もいたとか。
ただそのかたわら、
ウィットの効いた言葉で人の相談に乗り、
多くの悩める人を啓発した僧侶だったと
記録されます。
そんな一休が、
なぜ「一休」と呼ばれるようになったのか?
その答えが、冒頭にあげた歌でした。
この歌、師匠だった大徳寺の高僧に出された
「洞山三頓の棒」という
有名な公案に答えたもの。
公案というのは禅宗の修行で、
難しい難問に答えていくもの。
「洞山三頓の棒」とは難しいのですが、
結論は「お前はどこから来て、
どこへ向かう人間なのだ?」という質問に
答えるものです。
で、その答えに提示した一休さんの歌。
「有漏路(うろじ)」とは、「漏れ」のある世。
つまり、いろんな煩悩や迷いに満ちた、
この世界のこと。
逆に「無漏路(むろじ)」とは、それがない。
悟った人々がいる浄土の世界です。
つまり、
「私は迷いの多いこの世から、
悟りの世界へ向かう道中で、
ただ一休みしているだけの人間なのす。
雨が降っても、風が吹いても
関係ありません」と。
自分の信条を示したわけですね。
それで「一休」と呼ばれるようになったとか。
だから「慌てない、慌てない」は、
まさしくその通り。
一休みを最大限に楽しんで、
人生をまっとうしたわけです。
そんな心持ちは、見習うべきかもしれません。




