賢者の言葉11 いつまでも「偉い人」でいてはいけない

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「他人を押さえつけているうちは、
自分もそこから動くことはできない」

こちらはアメリカの初代大統領、
ジョージ・ワシントンさんの言葉ですね。
ご存知の通り、7月4日は
アメリカの「独立記念日」になります。

この独立記念日というのは、
1776年に「独立宣言」が交付された日。
このときイギリスを相手にした「独立戦争」は、
以前、継続中でした。

その後、「ヨークタウンの戦い」で独立軍が
決定的な勝利をつかんだのは、1781年。
パリでの和平条約で独立が認められたのが、
1783年ことです。
その間、ずっとワシントン将軍は、
軍を指揮していたわけです。

このワシントンさん、
決して勝ち続けたわけではありませんが、
独立を勝ち取ったアメリカ人からは
絶大な信頼を集めていました。

その上で1783年にアメリカが独立を果たした後、
彼が真っ先にやったことというのは、
じつは「将軍職を降りること」だったんですね。

決してその当時、裕福なわけではなかったそうですが、
早々にポストを捨ててしまった。
1人の人間がヒーローになったことにより、
「権力を持ってしまうこと」を彼は嫌ったわけです。

その後、彼は「渋々だった」そうですが、
議員として推薦され、議会に出なかったにも関わらず、
議長に選任されます。

そして「仕方なく」仕事をするわけですが、
人気の結果、1789年に初代大統領に選ばれたわけです。
なんとか2期務めあげますが、
「これ以上勘弁してくれ」ということで、8年後に引退。

以後、アメリカでは
「大統領を2期以上は続けない」ということが、
法制化もしてルールになっているわけです。

ワシントン大統領も失敗も多くしたし、
民族差別者で先住民族の虐殺も行なったとされます。
だから現代的には、「無条件に英雄視できる人」では、
ないようですね。

ただ、そうした自分の考え方が、
永久不変なものでないことも、よくわかっていた。
だからこの国では大統領が頻繁に変わり、
間違った政策は否定される流れが、
ずっと繰り返されてはいるわけです。

まあトップが半永久的に権力を持ち続けている国では、
だいたいにして、問題が起こってきてしまう。
ロシアがいい例ですが、
日本も例外ではありませんでした。
結果的には悲劇につながってもしまっています。

誰だって「権力は手放したくないもの」ですが、
だらこそ断固として、それを認めない慣習をつくる。
その点でアメリカの初代大統領は、
「先を見通す能力に長けていた」と言えそうですね。

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