
「死なねばならぬ品なるが、死ぬる覚悟がききたい」
こちら大ヒットした映画
『国宝』の中でも、
象徴的に使用された
「曽根崎心中」の中の有名な言葉ですね。
邦画の実写映画で空前のヒットとなった映画、
今はAmazonでも視聴できるので、
映画を観た方も非常に多いでしょう。
吉沢亮さんと横浜流星さんの
演技もさることながら、
韓国人の李相日監督による
日本の古典芸能の捉え方もまた、
すごいものがありました。
ただ、日本を代表する古典である
「曽根崎心中」って、私たちあまり
教わらないですよね。
本来は歌舞伎でなく、
近松門左衛門が「浄瑠璃」の脚本として
描いた悲劇。
そもそもは実際にあった
心中事件を下地にしていますが、
なんとなくストーリーは、
シェイクスピアの
「ロミオとジュリエット」を彷彿させます。
しかし引き裂かれた名家の2人が、
悲劇的な結末を迎えた恋人を追って
後追い自殺するのに対し、
「曽根崎心中」は、自堕落な恋人に対し、
一人の遊女が「誓いのための死」を完結させる物語。
モラルを吹っ飛ばしているし、
死を美化しているしで、
確かに学校では教えにくいものかもしれません。
ただ、それが日本の死生観であったことも
事実なのでしょう。
「曽根崎心中」のストーリーは、
歌舞伎webで紹介されているので
興味ある方はこちらを参照ください。
https://enmokudb.kabuki.ne.jp/repertoire/426/
映画も確かに「死ぬ覚悟」で芸に臨んだ
横浜流星さんに
「曽根崎心中」は重ねられます。
一方で「国宝」となる吉沢亮さんは、
はるかに上の次元を目指しており、
それはモラルを完全に飛び越し、
自分の人生も無着にしていきます。
ただ、当人はまったくそれが当然と思っている。
それは「生きる意味」として
はるかな極みを目指して演じる役者にとって
当然のこと。
その発想は「武士道」に通じます。
そういえばワールドカップ後、
大会を通じて見られたアルゼンチンのレジェンド、
メッシ選手のラフプレーや卑怯な戦術が
話題になっています。
でも、あれも長い間、
頂点を目指してきた彼の中で、
「当たり前のこと」なんでしょうね。
いい悪いではなく、
そこにこだわってきたから、
彼は頂点に立てた。
価値観がもう
別次元にあるから仕方…ない……のですが
他の価値観がわからなければ、
相手を知ることはできない。
孤高の道を歩むことにはなりますねえ。




