関西国際空港とスナメリ
- 2025/5/14
- できる人研究所

スナメリ、という動物を
ご存じでしょうか?
見た目、シロイルカですが、
正式に「シロイルカ」と命名されている動物よりは
少し小さいらしい。
そういえばその昔、飼育員さんに
「シロイルカとは違うんですよ」と
説明されながら、
ペタペタ触ったのではなかったのか?
「こんな気持ちのいい動物がいるんだな」と
感動した記憶があります。
このスナメリは、
東アジアに古くから生息しているけれど、
食用などのために乱獲され続け、
絶滅が心配視されているらしい。
そんなに日本の海を象徴する動物で、
白いイルカの印象はないですよね。
イルカ自体もそうなのですが、
ノーマークのうちに、
いつのまにか消えていった動物の1つなのでしょう。
ところが、このスナメリが、近年になって
新しく作られた「関西国際空港」の周辺に
多く住んでいるらしいと話題になりました。
それで長い間、調査と観察がずっと
行われてきたそうですが、
3年間の調査で20個体の定着を確認。
ここで出産し、育児もしているようなんですね。
にしても、人間が埋め立てて工事し、
飛行機がガンガン飛び立っている場所が、
絶滅危惧のイルカたちに、
快適な環境になるのは不思議です。
どういうことなのだろう?
それにはさまざまな理由があるらしく、
たとえば埋め立てに使用した土は
廃棄物でなく、山から持ってきたもの。
栄養豊富な土壌がプラクトンを育成し。
スナメリの餌となる魚を集めたという
指摘があります。
それから空港の安全のため、
近隣での大型船の航行を規制したことが
スナメリにも安全な環境を用意したことも
言われます。
都会のツバメのように、
人間がつくった環境がうまく弱い生物の生存に
合致することがありますが、
スナメリにも同じ状況が生まれているようなんですね。
だとしたら、ぜひぜひ、この愛嬌ある生物を
守ってあげてほしい。
開発と自然保護が一致できるなら、
人間にとっても理想的です。
人類の存続にとっても課題になりそうですね。