
月に一度、基本はリモート開催で、
皆が文章の創作に挑戦している「賢者の会」。
先週から
「私が好きなものって何だろう?」というテーマで
皆が短い小論に挑戦しています。
ちょうど今回は、私が自分の文章を書いたので
紹介しましょう。
なお、これまでの皆さんの作品は、
こちらから見ることができます!
https://note.com/natsukawagao/magazines
基本は無料開催で、皆で本を書き上げ、
作家を目指す集まり。
参加したい方は、いつでも大歓迎ですので、
夏川に連絡ください!
画像はだんだんと整っている
私が家の本棚です!
☆☆☆☆☆☆☆
「私の好きなものって何だろう?」夏川賀央
仕事がら、よく「自分も文章を書いてみたいんですけど。何を書いていいかわからないんですよ」と、よく聞かれる。
「何でも、好きなことを書けばいいのではないですか?」
私は、そんなふうに答えるのだが、「好きなことと言われてもなぁ……」という人が大半らしい。
すっかり文章慣れしている私は、中学生の頃から聴いているビートルズだろうが、昨日に知ったスノボのアスリートだろうが、どちらも同じ分量で文章が書けてしまう。むしろ客観的に思考がまとまるぶん、好きでも嫌いでもない対象のほうが文章を書きやすい。
ならば文章を書いて、人に発信したいほどの「好きなもの」とは、一体どういうものだろう? 考えてみれば難しい問題なのかもしれない。
紀元2世紀のローマ帝国皇帝に、マルクス・アウレリウス・アントニヌスという人がいる。賢帝の1人に数えられるとともに、『自省録』という本を書いた、偉大な哲学者としても知られている。
その皇帝は「好きなこと」をほとんど否定したのだが、人生を楽しむことを否定したわけではない。そうでなく、馬が走ったり、ブドウが実をつけたり、あるいは医者が治療し、芸術家が作品づくりをするのも同様だが、「我々が好きでやることはすべて、この宇宙がそれぞれの個体に割り振っている役割なのだ」と考えた。
むろん、それ以外の娯楽もあるだろうが、基本「与えられた役割」ほどにのめりこないし、脱線ばかりしていたら、人は幸せになれない。
同じように、私の師匠であり、『人生作家倶楽部』という講座で私を講師に認定してくださった佐藤富雄先生は、人は誰でも「作家」であり、それぞれが「書くテーマ」を持っているという話をしていた。だからセミナーでは技術論を教えるほかに、好きなことができる自由時間を多くつくり、必要とあれば面談も行ない、自分が追いかけたいテーマについて徹底的に考えてもらっていた。
たとえば「営業の仕事を好きでやっている」という人は、どうしてその仕事を「好き」と言えるのだろう? あるいは、そこにある「テーマ」とは何なのだろう?
それが単に、自分が好きなものを皆につくってもらいたいのかもしれないし、「皆が快適に暮らしてほしい」とか、ただ「人の笑顔がみたい」ということかもしれない。だとしたら、この人が仮に「大谷翔平」という人にのめり込んで、何か書いてみようとする。ならば「大谷翔平がいかに、周りの人を笑顔にしているか?」という面から文章を書けば、自分らしく書きやすいものになるとは思わないか?
そう、なぜ自分がなぜ、その文章を書きたいか……。
これを明確にすれば、いろんなテーマで文章が書けるようになるし、自分と同じ「好き」の傾向を持っている人にも、広く共感されることになるだろう。同時に、本業の仕事のレベルアップもできるし、人生のステージもより高くなっていく。それこそ、ローマ皇帝が言う、「宇宙が私たちに割り振った目的」に則っているのである。
そんな文章を、ぜひ皆に書いてもらいたい。
結局、私がテーマにしていることも、それを皆さんに提供することなのか。だから私は「賢者の会」を続けているのかもしれないなぁ……。




