じつはスゴかった日本人の数学力

「賀央会ブログ」から

夏川賀央の読書紹介の記事を紹介しますが

紹介するのは、

江戸の天才数学者

(鳴海風著、新潮選書)

という本です。

まあ私が訳した『武士道』で、
新渡戸稲造さんは、
武士の教育を語った章で
「数学の勉強は重んじられたなかった」
ということを述べています。

それは武士の教育が、
「お金を儲けること」
とは隔絶していたから
……なのですが、
じつは江戸時代から、
日本は世界に誇れるような
「天才的数学者」というのを
何人も輩出しているんですね。

なかでも一番有名なのは、
一応、上野国(いまの群馬県)
出身の武士とされる
「関孝和」という人。
この人は「算聖」(つまり算数の聖人)
なんていうふうにも言われ、
数々の「伝説」を残しています。
(かなり謎の人だったようですが)

で、さらにこの人の弟子だった
「建部賢弘」という人は、
ヨーロッパでオイラーという
大数学者が発見した
「円流率自乗の公式」というものを、
その一五年前に
解き明かしていたんですね。

ほかにも久留米藩の藩主でありながら、
数学者として
「ペンネームで」本を書いていた
「有馬頼徸」という人います。

つまりは武士にも、
数の世界に取り憑かれ、
研究の世界に邁進した人
……というのがいたんですね。

そのほか本書では、
『天地明察』という
小説&映画で取り上げられた、
「渋川春海」という人物なども
取り上げられています。
碁師から数学者になり、
太陽太陰暦の改暦に成功した人ですね。

まあ、こういう人を見ると、
伊達に日本人も理数系で
ノーベル賞を取っているわけではない
……ということがわかります。

我が国の底力を知る……という意味で、
興味ある方は、
手にとってみてはいかがでしょうか?