歴史入門4 トンガと縄文人と「ラピタ人」

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トンガ沖で発生した火山噴火による津波は、
つい、この前のことでしたが、
現在は被災したトンガへの支援活動が始まっています。

自衛隊も出動したようですが、
大学生のとき早稲田で
大学ラグビーを応援していた私には懐かしい、
元大東文化大のエース、
ラトウさんが支援を呼びかけていました。
トンガ出身の選手でしたが、
まだ日本で親善の仕事をされていたんですね。

どうしても日本においてはラグビーとか、
お相撲とのつながりを想像するトンガという国。

でも、じつは私たちとの関係は、
なんと縄文時代にさかのぼるという話があります。
だとすると、欧米よりずっと
私たちとは古い付き合いになる。

それが歴史的ミステリーにもなる、
謎の「ラピタ人」に関係しているんです。

ラピタ……、そういうとすぐ宮崎駿監督の
「天空の城」を思い出しますよね。

あのモデルは『ガリバー旅行記』とされますが、
そっちが関係しているのかはよくわかりません。

じつは「ラピタ人」というのは、
古代のメラネシアやポリネシアの島々で
高度な文明を築いたとされる人々なんです。

その範囲は、パブア・ニューギニアから、
フィジー、サモア、それにトンガという島々まで。
時代も紀元前1350年にまでさかのぼり、
画像のような土器に象徴される
「ラピタ文化」を築き上げました。

統一された国があったのかどうかは、
よくわかっていないのですが、
その交易範囲は思いのほか広く、
東はハワイや「モアイ」で知られるイースター島へ。
西はニュジーランドやオーストラリアへ。
そして北は赤道を越え、
フィリピン、台湾、そして日本へ……なんてことが
言われているわけです。

実際、日本の「縄文人」は、北から西から南からと、
いつかの民族が混血して誕生したと言われます。
沖縄のほうから日本人に混じった民族には、
ひょっとしたトンガを含む、
この「ラピタ」からの血が入っていないとは
言い切れないんですね。

でも、南の小さな島々に、
それだけの広範囲にわたる移動が可能だったのか?

これはすでに70年代、
有名な冒険家のヘイエルダールさんが、
イカダでの航海を通して
「不可能ではない」ことを証明しているんですね。

大々的な移住があったかどうかは別にして、
文化的な接触があった可能性は高いでしょう。
そんなつながりがあるかもしれない、
日本とトンガ。
あるいは南太平洋全体。
決して無関心でいてはいけません。

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