【歴史入門】忘れてはいけない歴史の爪痕

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こちらは大田区の池上本門寺から少し離れた場所にある。
「照栄院」というお寺、
画像は「妙見堂」という
加藤清正の娘さんが安置した菩薩像が保管されています。
なかなか風情のある場所ですよね。

実はここには、
「チャンギー殉教者慰霊碑」という
大きな碑が立っています。
戦争中に起こった悲劇を
現在も伝えている場所なんですね。

「チャンギー」とは、
シンガポールにあった刑務所です。

日本は1942年にシンガポールを陥落させますが、
そのとき3000人の民間人を、
600人しか収容できない、
この「チャンギー刑務所」に押し込めたとされるんですね。

劣悪な環境に加え、
強制労働や暴力もあったとされており、
850人が抑留中に死亡したとされます。

戦後、日本が敗戦すると軍人裁判が行なわれますが、
悪名高きこの刑務所も裁かれる対象になります。

結果、129名の日本兵が、
この刑務所の悲劇に関わったとされ
「BC級戦犯」として処刑されました。

ただ、その裁判は東京裁判と異なり、
現地でろくすっぽきちんとした証拠集めもされず、
事実関係も明らかにされないまま
刑が実行されてしまっているようです。
中にはたまたま、
任務でそこに就いていただけ
……という方も多かったのでしょうね。

こちらの「照栄院」のお坊さんが、
日本から呼ばれ、
刑の執行に携わったということで
彼らの供養をするため、
こちらの碑が建てられたそうです。

もう、「戦争中に何があったか」すら
どんどん忘れ去られていく時代になって
その爪痕を記す
貴重な場所ともなっています。

戦争は誰にとっても結局ところ
幸せでない結果しか残さない。
そんな教訓を示す出来事として、
記憶しておきたい事実です。

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