「創る喜び」を教えてくれた方でした

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のっぽさん……という名を
今日は久々に聞いたのですが、
NHK教育の『できるかな』という番組。

演じていた高見のっぽさんが、
ちょうど半年前に
88歳でお亡くなりになっていたとのこと。

そうか半年前だったのか……と聞くと、
寂しい気持ちが少し軽くなる。
そんな配慮で、自身の誕生日に合わせての
発表となりました。
それでも哀しいですよね。
ご冥福をお祈りします。

若い人には知らない人も多いでしょうが、
相棒の「ゴン太くん」と、
ひたすら工作をして遊ぶ番組。
私は子供のころ、ひたすら楽しみに見ていた気がします。

なぜだろう?
何か自分自身で創るわけでもないのに、
番組が始まると、食いついて見ていた。
見ながら「何かを作る」のは、
楽しいことなのだと感じていた。
たぶんそのことは今の文章を書く仕事にも、
少なからず影響しているのではないだろうか。

ずっと工作の先生だと思っていたのっぽさん。
基本、無言で、
「最終回だけ喋っていた」と紹介されていましたが、
声はときどき出してしたのではないだろうか?
自分はそう記憶していました。

じつはパントマイム専門ではなく、
ごく普通に俳優さんだったんですね。
「のっぽさん」をやるまでは、
ほとんど仕事に恵まれず、
一時は自殺を考えたことまであったと言います。

しかし思いがけず、
子供番組のキャラを無言で演じることで、
大人気になってしまった。

そうしたら今度はイメージを崩さないよう、
徹底的に他の仕事は避けたんだそうですね。
ようやく与えられた「のっぽさん」という役を
自分の天職として、
それに生涯、徹することを決めた。

なかなかストイックですが、
だからこそ私たちの世代には強烈なイメージを
残しているのでしょう。

番組は終ったあとも、
じつはほとんど「のっぽさん」のキャラで
創作活動をしています。

知らなかったのですが、
NHK『みんなのうた』で使用された
『グラスホッパー物語』という歌も歌っています。
地下鉄に迷い込んで人間に助けられたバッタが、
若いバッタたちに教訓を語る……という
不思議な曲ですが、自身で作詞をしているらしい。
「You Tube」などで検索すると出てくるので、
興味ある方は調べてみてください。

いずれにしろ子供のころに創作する喜びを教えてくれた
私にとっては「先生」のような方でした。
感謝の意をこの場で表明したいです。

動画が主流になっているからか、
子供のための番組は、
昔に比べて少し下火になっている気がします。
こういうジャンルも本当は、
保護・育成して広げるべきなのかもしれませんね。

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