「台風からの守り人」の伝承

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台風7号は昨日の夜に
鳥取から日本海に抜けたとのことですが、
東京はほとんど影響を受けませんでした。

多少の激しい雨は降ったのですが、
総じて蒸し暑い日だったように思います。
油断をせず、次の台風に備えるとしましょう。

このところ地球温暖化で
台風の恐怖が増したと言われますが、
一昔前だって、やはり日本人は台風を恐れていたんです。

画像は先日紹介した、両国の「旧安田庭園」。
ここに史跡として
「駒止石」というものが保存されています。

見たところ、大きな石以外のなにものでもない
……のですが、
一体どういうものなのでしょう?

徳川3代目将軍・家光が治めていた1631年、
台風が江戸・東京を襲ったそうです。
隅田川では洪水が起こります。

その洪水に誰もが躊躇するなか、
馬を操って濁流を避けながら、
民衆の被害状況をつぶさに見て回る役人が1人。

家光、家綱と2代にわたって老中を務め、
江戸時代における最高の政治家の1人とも称される
「阿部忠秋」という方。
下野と武蔵の藩主でもあった方ですね。

なんせ責任感が強く、
民衆寄りの立場を貫いた人格者として知られる人です。
少し我が儘だった家光をときに諌め、
江戸庶民にも好かれていました。

だから台風の際も、自ら行動して、
被害を最小限にするとともに、
いち早くの復興策を打ったわけです。

この「駒止石」は、そのとき忠秋さんが、
状況を見るために馬をつなぎ止めておいたとされる、
隅田川の河畔にあった石。

近くにいた住民たちは、
その石を「英雄的行為」の象徴として
ずっと記憶していたんですね。
だからそれが現在も、史跡として残っているわけです。

それくらい台風に対するケアをしていた役人さんは、
江戸時代でも尊敬されていた……。

これからも台風は相変わらず、
日本にやってくるのでしょうが、
その脅威から人々を守ろうと、
多くの偉人の努力があったことは、
忘れないようにしたいですね。

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