長い戦争の果てにたどり着いたものは?

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11月5日、10年目にして、
このアニメの最終回がついに放送されました。
『進撃の巨人』ですね。

諫山創先生が描いた、壮大な漫画ですが、
気づけばもう、
アニメも10年になっていたようです。

そういえば昔、アニメが放送された初期に、
静岡で子供たちに作文教室をしたとき、
「ライナーとエレン、どちらが正しいのか」
……の議論をやったことがありました。
あの子たちももう成人しているのだろうか?
すごいことですね。それも。

考えてみれば、
当初は人類とモンスターの戦いかと思いきや、
背景にあった長い民族戦争の構図に
主人公たちが気づく。
やがて善悪は入り乱れ、最後は主人公が暴走して、
世界を滅ぼそうとする……という、
物議を引き起こしたとんでもない話です。

最初に手がけた放送局も制作会社も
途中で挫折をしてしまいましたが、
これを天下のNHKが引き継ぎ、
制作会社の「MAPPA」さんと最高クオリティの
作品を作り続けた。

作者を信じ、物語の行く末が
視聴者にとって有益なものになることを信じ、
批判を受けながらも放送を続けた。

結果、日本のアニメの最高傑作の1つ
……としてもいいんじゃないか。
すべての人に生き方を問う、
非常に感動的な物語に終わりました。

この物語の主人公たちは、
「巨人」になる因子を体内に持っていることで
兵器として大国に利用されてきた民族です。

そんな運命から自由になるため、
そもそもの戦争が始まっているのですが、
ことの発端を招いた主人公の兄が
野球のボールを見つけて、
大事なことに気づく場面があります。

「キャッチボールで、ただボールをとって、
投げ返す。そこに生きる目的とか、
生存理由なんてものは何もない」
「でも、このなんでもない一瞬があるだけで、
自分はよかったんじゃないか……」

確かに私たち、理想や目標にとらわれすぎて、
日常にある「なんでもない幸福」の意味を
忘れてしまっている。
皆がそれに気づけば、
人が争う必要なんて、まったくなくなるのではないか。

ちょうど戦争が続いている現在に、
この物語の最終回が描かれたことは
偶然でないのかもしれない。
主人公の苦しみや絶望を
誰もが感じることのない世界であって
ほしいものですね。

制作者の皆さんの長い奮闘、
ありがとうございましたです!

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