「最も強い者」は、最も「聞く力」を持った者

画像は高速のインターにもなっています。
港区の「天現寺」の講堂。
「多聞天」を祀った施設ですね。
多聞天とは仏教の経典に出てくるインドの神様の1人。

またの名を「毘沙門天」さん。
七福神の1人になっていますから、
そっちの名のほうがお馴染みでしょう。

毘沙門天は、
「ヴァイシュラヴァナ」という神様の名を
そのまま漢字にしたもの。

ご存知のように戦を司る神様で、
棍棒を持ち、戦車に乗り、多数の鬼たちを従えて、
仏敵を打倒する力の象徴として描かれます。

そうした強さを授ける側面があったからこそ、
日本では武士たちの信仰を集めたわけです。
上杉謙信しかり、伊達政宗しかり。

強さを求める志向は平和な江戸時代になっても変わらず、
天現寺も江戸の武士たちの保護を受けていましたから、
この神様を祀りました。

ところがこのヴァイシュラヴァナは、
「よく聞く者」という意味も備えているそうです。

それが「多聞天」という別名になりました。

四天王の1人に数えるときは、こちらの名を使います。
いずれにしろ人の意見をすすんで取り入れる者、
今の日本の首相も「聞く力」を重視していますが、
仏教が生まれた頃の古代から。
「強き者は人の話を聞く者」と考えられていたわけですね。

人は強くなればなるほど、
周りの人間を上から見下すようになります。

見下すから他者の意見を聞かず、
どんどん己の欲望に突き進むようになる。
結果、多くの国が巨大になったあとで、
やがて倒される歴史が続いてきました。

「強さを求める者ほど、謙虚であらねばならない」
というのは、
リーダーシップ哲学の基本でもあったわけです。

そんな理想的なリーダーが、
一体世の中にどれほどいるのだろう?

この人のことはまた、詳しく語ろうと思いますが、
中国の「唐」という国を築いた
「太宗」という皇帝がいます。

この人の信条がまさに「人の話を聞くこと」で、
ただ聞くだけでなく、部下たちの提言をすべて
文章化して公開もしました。
そうして「人の意見に叛く自分」を封じようとしたわけです。

だから歴史上でも稀に見る
「平和な世界帝国」が実現したのですが、
こうしたリーダーの成功例から
私たちはもっと学ばねばならないですね。

「聞く力」を大切にしましょう!

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