じつは創業130年の深い味

今年のお正月は、
おせち料理こそ少なかったのですが、
ちょうど日本酒に合うものを
ご近所の方にいただいて大満足。

海老のせんべいの「ゆかり」。
「坂角総本舗」の有名なお菓子ですね。

お菓子といっても、海老の香りと味が強く、
お酒のつまみにはピッタリです。

坂角総本舗、東京のお菓子と思っていたら、
愛知県は東海市の名物だとのこと。

さらに疑問だった「坂角」という名前。
なるほど、このお店の創業者にして
海老せんべいの生みの親、
坂角次郎(ばん・かくじろう)さんに由来するそうです。

同社のホームページに、その経緯が紹介されていました。

そもそも愛知県の知多半島には、
海老のすり身を炙り焼きにした
「えびはんぺい」という郷土の味があったそうです。
「あまりに美味しい」ということで、
尾張藩主が徳川家康に献上し、
絶賛されて以後、幕府への上納品になったとか。

江戸から明治になり、
この味をなんとかして全国の人に知ってもらおうと
研究をしてきたのが坂さん、だったそうです。

その結果、誕生したのが「せんべい」でした。

当時は火鉢で生地を焼くようなものでしたが、
これを広めるために1899年、
坂角総本舗も創業されました。

そのマーケティング作戦も江戸時代と同じ、
ときは江戸幕府から明治政府に変わってはいましたが、
皇室に商品を献上することで海老せんべいは絶賛され、
現在まで続く味の基礎となったんですね。

どんなときも時のリーダーに認められてきた味、
そもそも「リーダーが好む」ということでなく、
日本人が「えび好き」なんでしょう。

創業者が研究を続けたのが、
この「えび」の香りや風味を、
いかに「せんべい」に閉じ込めるかという手法そのもの。
その結果、生まれたお煎餅であれば、
美味しいのも当然ということであるわけです。

世の中にはいろんな食べ物がある。
ありがたいことだなぁと、本当に思いますね。

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