「山」に住んでいる私たち

毎週配信メルマガ「賢者の会」通信はこちら

画像は東京のとある場所の展望台から撮ったものですが、
少し高い場所に上れば、
東京もやっぱり山に囲まれていることに気づきます。
日本の山の割合は、
地理学上では国土の75パーセントだそうですね。

それだけ「山」は私たちにとって身近なものですが、
8月11日は「山の日」になります。

「そんな日、あったっけ?」と思ってしまいますが、
お盆中で目立たないけど、2014年に制定された休日です。

じつは「海の日を作ったんだから、山の日も」と、
とってつけたような休日。
だから「山を大切にしよう」という趣旨はわかりますが、
結構、違和感はあります。

そもそも「山」って何なのだろうか?

「山」というのは、地理的には
「周囲より高く盛り上がった地形」とのことで、
それ以上の区分もありません。
「当然でしょう?」と思われますが、
「丘」とか「坂の上」などと、
実のところ区別されていないわけです。

たとえば私は、「〇〇台」と
名付けられた地名に住んでいますが、
これだってつまりは「山の上」なわけです。

都市開発されているから山の形はわかりませんが、
痕跡を探せば、いくらでも崖があったりする。
坂による起伏を考え、俯瞰してみれば、
元がどういう山であったかも見えてきます。

その意味でおそらく、日本人の大多数は、
「山」や「元は山だった場所」に住んでいるのでしょう。

環境破壊なんて最近のことと考えますが、
日本は竪穴式住居を作ったり、
集落と集落を行き来する道を作った縄文時代から、
山の破壊を行なっているわけです。

その「山」とは別に、「山=さん」という呼び名で、
富士山や妙義山など、
日本には信仰の対象としてきた「山」もあります。

「山を大切にしょう」というと、
そっちの「遠く離れた観光地になっている山」のことばかり、
どうしても私たちは考えてしまうでしょう。

ただ、「自分の住んでいる山」への理解が足りないことで、
里山の崩壊から熊が都会に出没するようになったり、
もっといえば、隣の崖が崩れてきたり、
家が傾いたり、ということも起こっているわけです。

じつはハザードマップなどを見ると、
自分が住んでいる「山」を取り巻く地形も
よくわかったりします。

「山の日」をうたうなら、
そんな根本的な「日本」という国の大地を理解し、
リスペクトしていくことが大切なのかもしれません。

関連記事

ページ上部へ戻る