パスタの歴史〜食は思想よりも偉大なり

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10月25日は、
「世界パスタの日」なのだそうです。

なんでも1995年にローマで、
「第1回世界パスタ会議」が開催されたのが
キッカケとか。
どんな会議なのか、見てみたいですよね。

いまや世界的な料理となっているパスタ。
その起源は、その昔、
マルコ・ポーロが中国から持ち込んだと
されていました。

ところが、これは真っ赤な嘘。
そもそも紀元前のローマ時代から、
パスタに近いものは食べられていたようです。
実際、中国の麺とパスタは、かなり違いますものね。

でも、イタリアオリジナルのパスタは、
マカロニやラビオリのような小さなもの。
「スパゲティ」と日本でいう細長い麺の発想は、
中国起源で東方ら入ったものとも言われます。

なるほどと思うのは、
今日、ニュースで現在のガザ地区で行なっている
炊き出しの様子が流れていました。
そこで振る舞われている料理は、トマトスープの中で、
麺やうどんに似たものが、煮込まれている。
そういう料理があるんですね。

751年、中国の「唐」王朝と、
新興のイスラム帝国が衝突した
「タラス河畔の戦い」という歴史的事件があります。

このとき「紙」などの中国文化ともに、
「麺」もイスラム世界に伝わったと
私は歴史の先生から聞いたことがあります。
なるほど、それが西に伝わり、
ヨーロッパに入っていった。

まさにナポリとかジェノバなどの都市は、
当方との交易で繁栄したわけです。

考えてみればパスタの材料、
トマトは南米からもたられたものですし、
唐辛子はアラビアからもたらされたもの。

ヨーロッパはアステカやインカの南米人を差別し、
滅ぼしてしまっている。
アラビアのイスラム教徒とも、
徹底的に抗戦を続けました。

でも「食」だけは、
「これ美味しい!」と思ったら、
自国文化の味付けをほっぽり出し、
全面的に屈服して受け入れているわけです。
不思議ですよね。

考えてみれば日本だって、
ずっと鎖国し、キリスト教を禁止していたのに、
天ぷらやらカステラやらは、
どんどん発展させてきました。

逆からみれば、
日本の寿司や刺身だって、
あっという間に西洋文化に定着しました。
生で食べるなんていう文化が、
こんなに簡単に受け入れらるんだと、
ビックリするくらいに。

イタリアのカルパッチョなんて、
昔からあるようで実は
50年代や60年代に
日本料理のアイデアからできた料理とも言われます。

ようするに「食」だけは、
思想や宗教の枠を超えて、人は受けているんです。
対立する国や差別する国のものでさえ、
障壁を容易に超えてしまう……。

世界が平和になるカギは、
案外とここにあるのかもしれませんね。

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