老医師が教えてくれた「引退前の最後の誇り」

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本日は母親を「内科病院」に連れて行ったのですが、
この病院に来るのは、今日が最後。

長く続いた個人医院を閉じる……ということで、
糖尿病の治療で通っていた母は、
今後は他の病院に移ることになりました。

なんせ院長先生は母親と同じ歳です。
今年で80になる身。
「本当に治療できるの?」と傍目には
見えてしまうような感じだったんです。

じつはもともと担当の先生は違ってました。
大学病院から若手の先生がこちらの個人病院に移り、
それにともなって、患者だった母親も大病院から、
こちらの小さな病院に通うようになった経緯。

しかし担当のお医者さんがなぜか急死してしまい、
それから担当は院長の老先生に……。
そうなってからはどうも「のらりくらり」で、
よくなっているんだか、
悪くなっているんだかわからない。

何度も私は、
「病院を変えるべきではないか」と
忠告したものです。

ところが引退を決意してからでしょうか、
昨年あたりから治療方針がガラリと変わります。

最近の糖尿病治療のトレンドに合わせ、
薬を1つひとつ減らしながら数値を計測していく。

そうして「これはいらない、これはいらない」と、
必要のない薬を削除し、
コンパクトな状態にして、
新しい病院での治療がやりやすいように
やり方を変更してきたわけです。

すると、「この病院を続けていたら
どうなったんだろう?」と逆に思うのですが、
のんびりやっていたお医者さんも、
自分が引退すると決めたとき、
「後悔なきよう、患者さん1人ひとりに対して
やるべきことをやって、
新しいお医者さんに引き継ごう!」と
決心したのでしょうね。

そういう心意気は、
なかなか素晴らしいのではないか。

最後には長く母親を車で運んできて初めてですが、
私も深々と頭を下げられて、挨拶されました。

いやいや、こちらこそありがとうございました
本当に長い間、ご苦労様でした……と。

人生にはステージがありますから、
長く務めた立場を手放したり、
あるいは長く続けた仕事から
手を引かなければならないタイミングも
訪れるのでしょう。

それでも次のステージの自分に
ちゃんと誇りが持てるように、
やるべきことはきちんとやり遂げておきたい。

これから退職や転職の時期になりますが、
その心構えは、とても重要ですね。

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