『マキャベリ「君主論」』の5刷が出来上がりました!

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夏川賀央訳の
マキャベリの「君主論」』。
(ウェッジ刊、1300円+税)
本日、5刷の見本が届きました。

2017年の初版で8年目になりますが、
ずっと売れ続けているロングセラー、
ありがたいですね。

どうして、本書は売れ続けているのだろう?
ダークのイメージがある「マキャベリ」ですが、
その理論は確実に現代にも通ずるもの。
決してブラックな支配を
推奨するものではありません。

その象徴に、本書には
「他国を征服するときの心得」なんていう
章があります。
15世紀から16世紀の、
ヨーロッパが覇権を競って戦争を繰り返していた
時代の本ですから、
隣国からの脅威を取り除き、国を平穏にするならば、
敵対する国はとっとと滅ぼしたほうがいい……。

すると現代のプーチン大統領の人物を
奨励するのかと思いがちですが、
そうではありません。

「いかに強い兵力を持った支配者であっても、
ある地域を支配下に治めるためには、
必ずその地域の人々に
好感を持たれることが必要になってくる」と。

マキャベリは、
「敵国の民衆を味方にしないと征服は成功しない」
と説いているわけです。
でも、そんなことが可能なのか?

彼は「民衆は常に、よりよい世の中を求め、
喜んで君主を変えたがる」と
述べています。

つまり、敵対する国の支配に対し、
あくまで自分が正義の味方として降臨し、
英雄のような形で迎えられて
敵国の支配者を打ち倒す。

この構造が成り立つとき、
はじめて征服は成り立つ……と
マキャベリは言うわけです。

この点でウクライナ人に憎まれてしまっている
プーチン大統領は、
すでに現時点で失敗しています。
仮に領土を奪い取っても、内戦が継続したりして、
秩序を安定させることは難しいでしょう。

世の中は綺麗ごとで済まず、
リーダーはときに、必要悪も実行する必要はある。
ただ、決して自分が悪に
手を染めたことを表に出さず、
民衆からは尊敬され続けねばならない。

実態はブラック企業でも、
働く人にとっては一貫してホワイトでなければならない。
不満を持たれたら、正しい独裁者にも、
正しい暴君にもなれないわけです。
それでは長続きするリーダーになれません。

時代が変わっても、人間は人間であり続け、
世の中の本質は変わらない。
だから永遠に「君主論」は、
必要な本になりうるのでしょう。

どう感じるかは皆さん次第。
まずは読んでみて、
それから考えてみることが必要な本ですね。

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