偉業をなすことよりずっと難しいこと

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「小さな疑問からは、
小さな答えしか得られない」

こちらは拙著、
『奮い立たせてくれる科学者の言葉90』より、
ジェームズ・D・ワトソン博士の言葉。

DNAの「二重らせん」構造の発見者であり、
モーリス・ウィルキンスさん、
フランシス・クリックスさんとともに
1962年にノーベル生理学・医学賞を
受賞した人物。

11月6日に97歳で
その人生をまっとうされたとのこと。
お悔やみ申し上げます。

ワトソンさんは、
なんといっても30代にして
ノーベル賞を受賞している
超天才的な科学者です。

ただ、紹介しているエッセイ
『二重らせん』(講談社文庫)でも
少し記されていますが、
破天荒で攻撃的な科学者として
よく知られた人物でした。

他の研究者を批判するばかりでなく、
人種差別的な発言はたびたび問題となり、
皆にそっぽを向かれたあとで、経済的に困窮。

しまいにはノーベル賞のメダルを
オークションで競売にかけたことでも
話題になりました。

なんでもロシアの大富豪が落札し、
その後、「これはあなたが持っているべきだ」と、
当人に返却したそうですね。

つまりは、その才能を誰しも認め、
困難とされたDNA解析に成功し、
偉業を成し遂げた人物。

この上ない富も名声も、
若くして獲得したのがこのワトソン博士。

でも、「どうすればよりよく生きられるか」
という大問題には、
どうも答えを見出せなかったのではないか。

ただ、問題は多々起こしながらも、
周りの人々に愛され、
応援され続けた方であったことは
事実のようですね。

最後に本人がそれを自覚できていたらなと
心から思います。

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