伝統も必要なら見直していく

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モロッコで大地震がありました。
死者は2000人を超えているようですが、
いち早く復興できればいいですね。
本当にお見舞い申し上げます。

今回、地震の震度は5強から6弱といいます。
そう聞くと私たち日本人は、
そのくらいの規模の地震なら、
よく起こっているんじゃないか
……と思ってしまいます。

それでこれだけの被害……。
じつは私は、同じ北アフリカのエジプトに
長くいたことがあるので、
思い当たることがあります。
それは建築素材!

画像は、モロッコの世界遺産の
「アイット・ベン・ハドゥ」ですが、
今回の地震では被害を受けていないでしょうが、
中世から続く見事な城塞都市。
街はほとんど「日干しレンガ」でできています。

「日干しレンガ」とは、
ようするにその辺の粘土をこねてレンガの形にし、
砂漠の日差しにさらして固めただけの簡単なレンガ。
釜で焼いたりはしません。

エジプトでも田舎にいけば、
たいていの民家はもちろん、
レストランやホテルやイスラム教のモスクも、
これでできています。

それどころか古代エジプトの
現存しているピラミッドや神殿でも、
やはり「日干しレンガ」でできているものがあるんです。

石でできているものに比べたら保存状態は悪いのですが、
それでも紀元前から残っているから、すごいですよね。
漆喰で塗れば、普通に美しい建物の体を成しています。

もちろん私はこのレンガで作った建物で、
何日もの夜を過ごしたことがあります。

比較的涼しい感じがするし、
壁を蹴ったって、別に崩れない。
「コンクリートだ」って言われれば、
そう思ってしまうくらい。
自然な感じで、快適に暮らせます。

でも、「地震が来たら大丈夫なのかな?」ということは、
当時もなんとなく思っていた気がします。
安定した場所で、
メンテナンスを繰り返すからこそ、
長くもつ資材なんでしょうね。

世の中は絶えず変化していく。
「いままで」が仮にOKだったとしても、
「これから」がそのままでいいとは限らない。

長く続いている伝統もときおり見直し、
現在の条件に合ったものに変えていく必要があるのは、
私たち日本も同じなのでしょう。

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