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タイとカンボジア、日本人が知らない犬猿の仲
- 2025/12/12
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タイとカンボジアで、
国境紛争が起こっています。
一時は「トランプ大統領が戦争を止めた」と
話題になりましたが、
また再燃して被害が出ているようですね。
多くの命が奪われないことを祈るのみです。
にしても、長く王政を保ち、
日本とも親しい関係を続けていたタイと。
悪名高い軍事独裁時代を経て、
今はアンコール・ワットなどの
観光国になっていたカンボジア。
なんでこんなところで紛争が起こるのか、
ちょっと疑問に思ってしまいますよね。
じつは長い歴史の間、
ずっと対立を続けて来たのが、この2国。
今に始まったギスギスではないんですね。
両地域とも、インドや中国の影響を経て、
早くから文明が芽生えますが、
最初に統一王朝ができたのは、
カンボジアのほう。
これが画像の「アンコール・トム」という
栄華を極めた都で知られる
「クメール王朝」なんですね。
9世紀くらいのことです。
アンコール・ワットは、
その王都にあった巨大な寺院。
最初はヒンズー教の寺院だったのが、
のちに仏教寺院として使用されました。
で、この巨大な国に支配されてできたのが、
もともとのタイの国家。
ところがこのカンボジア支配を打倒し、
独立を果たすのが、タイの王国です。
13世紀にスコータイ王朝が
完全にクメールから独立すると、
14世紀のアユタヤ王朝は逆襲。
美しい都、アンコール・トムを陥落させ、
クメール王国を滅ぼしてしまいました。
日本人が知らない仏教国同士の大戦争。
カンボジアから生まれたタイが、
カンボジアを滅ぼす因縁になったんですね。
その後、世界はヨーロッパが席巻し、
カンボジアはベトナムとともに、
フランス領になります。
「王様と私」で知られる、見事な外交を経て、
独立を保ったのがタイ。
この戦略はフランスの統治領を
日本が奪い取ったあとも続きます。
以後は、王国を続けてきたタイと、
ベトナム戦争と軍事政権を経て、
王国に戻ったカンボジア。
それでまた、最初の歴史に戻ったような
紛争を繰り返す関係になっているわけです。
世界の潮流に流された結果、
結果的に歴史をやり直すような形に
なっているんですね。
気づくといつのまにか、
お隣さんを憎んでいる私たち。
対立よりも繁栄を望むなら、
冷静に考えるべきことはたくさんあります。




