住宅街にひっそりと「延命院」

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東京港区の南麻布の住宅地の中、
ひょっこりと目の前に出てきたのは、
なんだかお堂のような、倉庫のような
古いお寺。

じつは病院に行く途中、
道に迷って遭遇したのですが、
「延命院」とあります。

なんの建物だろう……?

「命」を「延」ばしてくれる施設。
そういって診療所ではありません。

実際は「お寺」ですが、
病気の治癒のために祈祷したり、
定期的に健康を祈願する場所として、
仏教の宗派を選ばず、
全国各地につくられたんですね。

中には悪名高い、
大奥の女中さんまでも巻き込んだ
カルト宗教を起こしたところもあります。

とはいえ、この南麻布の施設は
そう有名ではなく、
空海さんが創建した真言宗のお寺。

「金剛山寶幢寺」というのが正式名称で、
1700年代から
存在しているそうです。

このあたり、武家屋敷もあったのですが、
近くを流れる古川沿いに
庶民も多く住んでいた芭蕉。

医師もそうそうは存在しなかった時代です。
病気になった町人は、
こうした延命院に通って
祈祷してもらうことで、
回復を願ったのかもしれません。

空海さん、つまり弘法大師にゆかりのある
四国のお寺をめぐるのが「お遍路さん」ですが、
これにあやかり、
東京の真言宗のお寺をめぐる
「御府内八十八箇所」という
巡礼コースが知られています。

地味なお寺ですが、
この「延命院」も
ちゃんと巡礼箇所に含まれているようです。
なかなか来るのは大変そうですが。

ちなみに「御府内八十八箇所」の
出発点がどこかといえば、
高輪警察署のそばにある
高野山の別院でした。

そういえば確かにですね。
地元で、よく行く場所。
気が向いたら
他の場所もめぐってみましょう!

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