謎の植物「モミジ」!?

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画像は港区の「天現寺」の庭ですが、
ものすごくいい色になってきていますね。

モミジ……だけど、
ちょっと一般的な紅葉より、
葉っぱの切れ込みが細く、
星形が尖っているような感じです。

おそらくは調べると
「オオモミジ」とか、「ヤマモミジ」と
呼ばれる種類のものではないかと思います。

じつは「紅葉」をより美しく……ということで、
江戸時代にしてすでに、
観賞用の「モミジ」は品種改良が
行なわれてきたとのこと。

現在は150種ほどが知られているとか。

そして実のところ正確にいえば、
これは「モミジ」という植物の
改良バージョンではありません。

すべては「カエデ」という植物の
進化系統の一部。

私たちが「モミジ」と読んでいる木は、
生物学的にはカエデの一部であり、
「モミジ」という植物は
「存在しない」のが本当のようです。

そんな可哀想な……と思うのですが、
「モミジ=紅葉」と書くことで、
なんとなく想像できるかもしれない。

そう、「モミジ」という言葉は、
もともと「もみづ」とか、
「もみずる」という動詞で、
葉っぱが秋になって色づいていくこと。

その中でも「一番美しい」と
私たちの祖先が感じたのが
赤く染まっていく「カエデ」の仲間達。

その「カエデ」を厳選し、
赤くなるものをより強化していくことで
ある種、人工的に「紅葉する木」。
すなわち「モミジ」が
生まれていった……ということなんですね。

そもそも「カエデ」の代表は、
あのカナダの国旗で知られる形のもの。
意味は「カエルの手」から来ています。
「サトウカエデ」なんて呼ばれます。

それがいつのまにか、
美しい秋のアイコンになってしまった。

すべては日本人の美意識が
作り出したものだったんですね。

だから英語でも、
「Japanese maple」より
「Momiji」とそのまま呼ばれることが多いとか。

私たちの文化を象徴するものとして、
記憶しているべきと思います!

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