日本で初めて行なわれた「演説」

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いまから147年前、明治7年の6月27日。

日本で初めて「演説」が行なわれたそうです。

 

でも、なんか変では? 「演説」ですよ。

そんなの偉い人が部下たちに向かって話す場面なんて、

いくらでも日本にあったのではないか?

 

そうではないんですね。

じつは、このとき英語で言うところの

「スピーチをしよう!」ということで、

日本で初めて「演説」という言葉が用いられて

その通りのことが行なわれたわけです。

言葉自体は仏教用語から持ってきたとのこと。

 

では、誰が最初の演説をしたのか?

といえば

その中心は福澤諭吉さんです。

 

『学問のすすめ』にもあります。

「演説とは英語にて『スピイチ』と云ひ、

大勢の人を会して説を述べ、

席上にて我思ふ所を人に伝るの法なり」と。

 

ようするに偉い人が下々に説教をたれることはあれど、

ごく普通の一般人の代表が演壇に立ち、

自分の意見を堂々と表明するような場は、

いままでの日本にはなかった。

 

福沢諭吉さんは誰でもが平等に人前で

自分の言いたいことを発言できる

「言論の自由」の文化を

日本に定着させたかったんですね。

 

そのために慶応義塾に作られたのが、

三田演説館という建物。

第1回だけは別になりましたが、

明治7年に

「三田演説会」という催しが始まったわけです。

これは戦争などでの中断があったものの

ずっと現在まで続いているようです。

コロナの影響で、

講演やスピーチで演説を聞く

……という機会は少し減りました。

 

ただその代わり。

動画配信や音声配信などを通じて、

演説それ自体はこれまで以上に

身近なものになっています。

こけからさらに自分を売るツールとして

演説コンテンツは必須になってくるかもしれません。

 

ただその代わり、

言いたいことを言うだけでなく、

「何をどのように述べれば、

多くの人が聞いてくれるか」ということは、

いっそう求められるようになってきます。

 

文章もそうですが、

いろんなことに修行が必要な時代には

なってきそうですね。

 

[夏川賀央の「古典学のススメ」]